Project/Area Number |
22K07608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 准教授 (10279135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 克典 久留米大学, 医学部, 助教 (10626865)
河原 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10186124)
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 教授 (50228144)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ドーパミン / 側坐核 / 前頭前野 / 海馬歯状回 / マイクロダイアリシス / 中脳皮質系ドーパミン神経 / 中脳辺縁系ドーパミン神経 / p11 / 中脳皮質系 / 中脳辺縁系 / 統合失調症 / 中脳皮質辺縁系ドーパミンシステム / 海馬 / 行動薬理学 |
Outline of Research at the Start |
統合失調症は、脳内ドーパミン神経の機能に異常が生じたり、海馬に変性がおこることで症状が出現するのではないかといわれている。そこで、マウスに薬物を投与し、人工的にドーパミン神経や海馬に異常を生じさせ、統合失調症様の症状が出現するかを調べる。 次に、活性化された神経細胞が視覚化されるTRAPマウスに同様に薬物を投与し、人工的に統合失調症様の症状を出現させる。そして、異常な活性変化を示す神経細胞を見つける。これらの異常な活性変化を示す神経細胞の活性をDREADD法により調節する。この操作でドーパミン神経機能や統合失調症様症状が是正されるのかを調べる。以上から統合失調症の原因となる神経細胞を同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症などの神経疾患の病態に関与する中脳皮質系ドーパミン神経と中脳辺縁系ドーパミン神経の活性変化は、神経疾患で可塑性が障害される海馬歯状回からどの程度影響を受けるのかを調べた。これまでに、背側歯状回の神経を、薬理学的または化学遺伝学的に活性化や抑制をすると、中脳皮質系ドーパミン神経と中脳辺縁系ドーパミン神経の両方で活動性の有意な変化を起こすことがわかった。今年度は背側歯状回に続き、腹側歯状回の両ドーパミン神経系への影響を調べた。 腹側歯状回は背側歯状回と異なり、中脳皮質系ドーパミン神経を恒常的に抑制していた。さらに、背側歯状回と同じように認知機能に関連する刺激で誘発されるドーパミンリリースに関与する一方で、食物報酬に関連する刺激で誘発されるドーパミンリリースにも関与していた。 中脳辺縁系ドーパミン神経の活動性に関しては、腹側歯状回は背側歯状回と異なり、自然報酬に関連する刺激で誘発されるドーパミンリリースだけでなく、薬物報酬に関連する刺激(コカイン)で誘発されるドーパミンリリースにも関与していた。 したがって、背側歯状回と腹側歯状回の両方が、中脳皮質系ドーパミン神経と中脳辺縁系ドーパミン神経の活性化の制御に関与することがわかった。歯状回においては、腹側のほうが背側よりもドーパミンリリースを誘発するより多くの刺激に関与するようであった。 このように、統合失調症などの神経疾患では歯状回の神経可塑性が障害されるが、これが中脳皮質系ドーパミン神経と中脳辺縁系ドーパミン神経の活動制御に影響を及ぼす可能性が示唆された。そして、外部からの刺激に対するドーパミン応答の異常が起こり、認知機能の障害や報酬に関連する情動異常が起こるかもしれない。 以上の研究結果は、統合失調症などの神経疾患でみられる認知機能や情動の異常に関する神経メカニズムの解明につながる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は統合失調症の疾患モデルとして、中脳皮質系ドーパミン神経の活性低下と中脳辺縁系ドーパミン神経の活性化を起こすマウスで調べる予定であったが、これらのマウスで予想された統合失調症様の行動変化が現在まで十分に検出されない。そこで予定を少し変更し、海馬歯状回の活性を薬理学的に変化させ、それによる中脳皮質系ドーパミン神経と中脳辺縁系ドーパミン神経のドーパミンリリースから神経活動の変化の機序を探っている。そして、これらのマウスで統合失調症様の行動変化が検出されるのではないかと予測している。こちらはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、中脳皮質系ドーパミン神経または中脳辺縁系ドーパミン神経の正常な活性変化には、活性変化を起こす刺激の種類によって、P11タンパク質が必要であることを明らかにした。海馬歯状回による中脳皮質系ドーパミン神経および中脳辺縁系ドーパミン神経の活動の制御にP11タンパク質が必要であるかを、P11タンパク質の過剰発現のためのウイルスやP11タンパク質欠損マウスを用いて、中脳皮質系ドーパミン神経または中脳辺縁系ドーパミン神経の正常な活動の変化が影響されるかどうかを検討する。さらに、ドーパミン神経系の活動が影響された状況で、統合失調症様の行動変化がみられるのではないかと予測している。行動試験の種類や設定、環境などに留意して取り組みたい。
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