Project/Area Number |
22K07620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 俊光 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20373318)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | SCN2A / Nav1.2 / 神経発達症 / 統合失調症 / 社会性行動障害 / 神経回路 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、SCN2A遺伝子変異によるNav1.2の機能喪失が社会性行動障害にどのように寄与しているのかを脳部位特異的にScn2a遺伝子をホモで除去したマウスを用いて社会性行動を含む行動試験を実施し詳細に解析することで、SCN2A変異を有する神経発達症患者の社会性行動障害発症に関与する神経回路・発症メカニズムの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
電位依存性ナトリウムチャネルα2サブユニット(Nav1.2)をコードするSCN2A遺伝子の変異は、自閉スペクトラム症、知的障害、てんかん、統合失調症など広範囲な神経疾患から同定されている。また、現在までに、申請者の所属する研究室では、SCN2A疾患変異やScn2a欠損モデルマウスの行動異常などについて多くの論文を発表している。本研究では、SCN2A遺伝子変異によるNav1.2の機能喪失が社会性行動障害にどのように寄与しているのかを詳細に解析することで、SCN2A変異を有する神経発達症患者の社会性行動障害発症に関与する神経回路・発症メカニズムの解明を目的としている。本年度は、統合失調症関連脳部位である内側前頭前皮質(mPFC)または腹側被蓋野(VTA)において特異的にScn2a遺伝子をホモで欠損させたマウスを作成して詳細に解析を行なった。その結果、mPFC におけるScn2aの欠損は、1)馴染みのないマウスへのアプローチ回数を上昇させること、2) 自発運動量の低下と不安様行動の増加を誘発すること、3)統合失調症のエンドフェノタイプとして用いられる聴覚性驚愕反応のプレパルス抑制(PPI; 患者およびモデル動物の両方で低下が見られる)を低下させること、4)一方、VTAにおける欠損は、PPIを逆に上昇させるが、それ以外の行動試験(マウスへのアプローチ回数、自発運動量、不安様行動)では変化を示さないこと、などを見出した。以上の知見と、これまでに統合失調症動物モデルで報告された知見を組み合わせ、mPFCまたはVTAでScn2aを欠損したマウスで想定されるPPI神経回路モデルを提案し、論文報告した (Suzuki et al., Mol Neurobiol 61(2):622-634, 2024)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SCN2A遺伝子変異により発症する統合失調症などにおいてmPFCが重要な脳領域であること、一方、VTAにおける欠損はPPIに対してはそれを打ち消す効果などを有することなどを見出し、これまでに統合失調症動物モデルで報告された知見を組み合わせ、発症神経回路の理解、治療法の開発に大きく役立つと思われる神経回路モデルを提案し、論文報告 (Suzuki et al., Mol Neurobiol 61(2):622-634, 2024)しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり、今回提案した社会性行動異常に関わる神経回路の検証を脳領域・神経細胞特異的にCre組換え酵素が発現するトランスジェニックマウス、AAV-Cre、神経細胞特異的逆行性遺伝子導入(NeuRet)、 DREADDまたは光遺伝学的手法などを領域・細胞種に合わせて選択し実施する。
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