放射性標識抗体を用いた膵がん超早期画像診断法の臨床試験に向けた製剤化研究
Project/Area Number |
22K07655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
五十嵐 千佳 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 技術員 (00882482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 幸恵 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 上席研究員 (10397242)
立花 知子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任技術員 (40846937)
檜原 扶紀子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 技術員 (20846935)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 64Cu |
Outline of Research at the Start |
膵がんは自覚症状が乏しいために早期発見が難しく、生存率の低いがんである。また現行の画像診断法では1 cm未満のがんを検出することは困難である。これに対し、研究代表者らは膵がんに高集積する放射性薬剤を開発してきた。さらに本薬剤の投与により、超早期膵がんを明瞭に検出できることを非臨床試験から明らかにした。そこで本研究では、この膵がん超早期画像診断法の社会導出に向け、臨床試験への薬剤提供を想定した製剤化研究を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
膵がんは早期発見が難しく、生存率の低いがんである。その原因として、適切な画像診断法がないこと、自覚症状がわかりにくいことが挙げられる。近年、血液バイオマーカー検査が膵がんの有望な早期発見法として注目されているが、検査で膵がん高リスクと診断されても、現状の画像診断法(超音波検査、CT検査、MRI検査、FDG-PETなど)では腫瘍位置を特定することは非常に困難である。こうしたことから、血液バイオマーカーで早期膵がん疑いとなった患者に対する革新的画像診断法の開発が急務となっている。 一方、研究代表者らはこれまでに多くの膵がんで過剰発現が見られるEGFR(上皮成長因子受容体)に対する抗体Cetuximabを、二官能性キレート(p-SCN-Bn-PCTA)を用いて放射性核種64Cuで標識した「64Cu-PCTA-Cetuximab」を開発してきた(Igarashi et al. Nucl Med Commun 2021)。また、本薬剤を腹腔投与後、陽電子放射断層撮影(PET)を行うことにより、従来のFDG-PETでは検出が難しい3 mm大の超早期膵がんを明瞭に検出できることを非臨床試験から明らかにした(特許第5808024号)(Scientific Reports 2020)。 そこで本研究では、こうした膵がん超早期画像診断法(64Cu-PCTA-Cetuximab ipPET)の臨床試験実施にむけ、本薬剤の治験提供を目的とした製剤化研究を行う。具体的には、①原料となるPCTA-Cetuximabの保存性の検討、②64Cu-PCTA-Cetuximabの細胞結合性評価、③64Cu-PCTA-Cetuximab治験薬の処方・品質試験法の設定を行う。 本年度は①原料となるPCTA-Cetuximabの保存性の検討、②64Cu-PCTA-Cetuximabの細胞結合性評価を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は以下の項目につき検討を行った。検討は当初の計画通り進行している。 ①原料となるPCTA-Cetuximabの保存性の検討 二官能性キレートのPCTAと抗EGFR抗体Cetuximabを用いて本薬剤の原料となるPCTA-Cetuximabを合成した。これを安定化剤(候補A、B)ならびに溶媒(候補a、b)の各条件を組み合わせた溶液中で保存後、各時間点において64Cuで標識した。Radio-TLCにより標識率の評価を行い、長期保存に適した条件について検討した。 ②64Cu-PCTA-Cetuximabの細胞結合性評価 保存後の原料(PCTA-Cetuximab)を64Cu標識した64Cu-PCTA-Cetuximabをがん細胞と反応させ、γカウンター測定により細胞と結合した薬剤の放射線量を求めた。この結果を合成直後のPCTA-Cetuximabを64Cu標識した薬剤を用いた場合の結果と比較し、原料の長期保存による細胞結合性への影響を検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
①原料となるPCTA-Cetuximabの保存性の検討 今後もPCTA-Cetuximabの長期保存に適した条件について検討を進める。 ②64Cu-PCTA-Cetuximabの細胞結合性評価 引き続き①で検討した条件下で保存したPCTA-Cetuximabを64Cuで標識し、これを細胞と反応させ、原料(PCTA-Cetuximab)の長期保存による細胞結合性への影響を検証する。 ③64Cu-PCTA-Cetuximab治験薬の処方・品質試験法の設定 ①、②の結果を踏まえ、臨床試験への提供に向けた治験薬の処方・品質試験法を設定する。現状、64Cu-PCTA-Cetuximab治験薬の一人当たりの放射能は最大350MBq/人を想定している。また品質試験の項目は、性状、不溶性異物、エンドトキシン、無菌、確認試験(64Cu、64Cu-PCTA-Cetuximab)、pH、純度試験(異核種、放射化学的異物)、実容量、放射能定量(64Cu)を想定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)