分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬と共存する新時代のTACEの確立
Project/Area Number |
22K07684
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星合 壮大 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50740362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 敏之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40302418)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肝細胞癌 / TACE / 肝動脈化学塞栓療法 |
Outline of Research at the Start |
肝動脈化学塞栓療法(TACE)は動脈性に栄養される肝細胞癌に対して、経カテーテル的に腫瘍の栄養動脈に抗癌剤と塞栓物質を投与し、腫瘍を虚血・壊死に陥らせる方法である。肝細胞癌に対する優れた治療法であるが、治療を繰り返すことによる肝予備能の障害が問題点である。我々はこれを克服するため新たなTACEの手法であるBOAI-TACEを開発した。 BOAI-TACEは従来のTACEと比較して1)肝機能温存に優れる、2)多発あるいは巨大肝細胞癌に対する治療効果に優れる、ことが初期の研究で分かっている。本研究では、BOAI-TACEの有効性、さらには分子標的薬などと組み合わせた治療効果を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌に対する治療は、近年の免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬の登場や進歩により変化しつつある。従来の肝動脈化学塞栓術TACEは優れた治療法であるが、TACEの施行に伴って肝機能が悪化することが問題点であった。肝機能の低下は免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬による治療の妨げになるだけでなく、患者の生活の質を低下させる可能性ある。本研究では、バルーン閉塞下にシスプラチン水溶液と破砕ゼラチン粒子を用いて、これを交互に注入することにより、治療効果が高く、肝機能も低下させない新たなTACE(BOAI-TACE)を開発した。従来はTACEの適応と考えられていた肝細胞癌のうち、特にup-to-7 out(肝細胞癌の最大径をセンチメートルで表記した値と腫瘍の個数の和が7以上)と呼ばれる状態の肝細胞癌では、TACEによる治療成績も悪く、肝機能の低下も起こしやすいので、近年ではTACEは最適な治療法ではないとする報告もある。本研究では、Child-Pugh分類がAで、Up-to-7 outの肝細胞癌に対してBOAI-TACEを適用して、治療成績と肝機能低下の有無を検討した。18名の患者に対して、BOAI-TACEを行った結果、奏効率は77.8%(90%信頼区間 54.3-91.5%)であった。また治療後2ヶ月の評価で、肝機能がChild-Pugh分類のAからBに悪化した症例は認められなかった。本研究で開発したBOAI-TACEは多発あるいは巨大肝細胞癌に対しても、肝機能の低下を伴うことなく良好な治療効果を得ることが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「従来の肝動脈塞栓術では治療困難とされるup to 7 out肝細胞癌に対するシスプラチン溶液と破砕ジェルパートを用いたバルーン閉塞下動脈塞栓術の有効性試験」と題する特定臨床研究を進めてきて、試験は終了した。18名の患者に対して、BOAI-TACEを行った結果、奏効率は77.8%(90%信頼区間 54.3-91.5%)であった。また治療後2ヶ月の評価で、有意な肝機能の低下は認められなかった。本研究で開発したBOAI-TACEは多発あるいは巨大肝細胞癌に対しても、肝機能の低下を伴うことなく良好な治療効果を得ることが可能である。これらの結果について、日本医学放射線学会総会にて発表を行った。今後は、これに関する結果を論文にて発表する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、「従来の肝動脈塞栓術では治療困難とされるup to 7 out肝細胞癌に対するシスプラチン溶液と破砕ジェルパートを用いたバルーン閉塞下動脈塞栓術BOAI-TACEの有効性試験」を行った。その結果は良好で、肝細胞癌に対する治療効果も良好で、肝機能の低下も認められなかった。今後は、より大規模な検討を進めていくと同時に、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬と組み合わせたシーケンシャル治療方法について、臨床試験を計画して、進めていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)