Project/Area Number |
22K07766
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
善光 純子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (20710148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 絢子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00770348)
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | アブスコパル効果 / 放射線治療 / 抗腫瘍免疫応答 / オミクス解析 |
Outline of Research at the Start |
腫瘍に対する局所放射線照射と免疫チェックポイント阻害剤の併用治療に伴って全身で起こる抗腫瘍免疫反応を制御することが、予後の改善に重要であることが示唆されている。 申請者がこれまでに行った、担癌マウスモデルにおける次世代シークエンス技術を用いたオミクス解析により、抗腫瘍免疫環境に影響を及ぼすことが示唆された遺伝子やsmall RNAについて、まずはin vitroでの機能解析を行うことにより、抗腫瘍免疫環境を改善する分子ターゲットまたは、予後予測につながるバイオマーカーの探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療後の抗腫瘍免疫反応を活性化させることを目的とし、放射線照射した担癌マウスの治癒群と増悪群における免疫細胞を比較し、新たなターゲット分子を見出すために下記の実験を進めている。C57BL/6マウスの大腿皮下にマウスグリオーマ細胞GL261を移植した担癌マウスを作成し、腫瘍局所に10Gyの放射線を照射した後、2群に分け、一方に抗PD-1抗体を3回投与した。その後両群の頭蓋内に同じ腫瘍細胞を再移植した。両群から10日以上の間隔をあけて経時的に採血し、調製したPBMCを用いてシングルセルトランスクリプトーム解析を実施した。腫瘍が縮小したマウスで発現が上昇した遺伝子は、ヘモグロビン遺伝子をはじめ、Alas2、Snca、Bpgm、Fechなどであった。 両群で遺伝子発現に変化が認められた遺伝子について、その発現変化がDNAのメチル化による制御を受けているかをEM-Seq法によりライブラリを調製、シークエンス解析した。しかし、DNAのメチル化により発現が変化したと考えられる遺伝子は認められなかった。 次に腫瘍縮小群で発現が上昇した上位遺伝子を用いてGO解析を行ったところ、自然免疫反応、ヘム代謝、赤血球の酸素取り込みに関連した遺伝子が確認された。このことから、まずはAlas2に注目し、ヒトPBMCを用いた解析を実施することとした。 Alas2は赤血球に特異的な5-アミノレブリン酸(5-ALA)合成酵素である。Alas2の発現が上昇することにより、5-ALA合成とそれに続くヘム合成が活性化されると考えられるため、5-ALAで刺激したPBMCが、ヒト肺がん細胞A549の増殖に与える影響を検討した。結果は、5-ALAを含まない培地で培養したPBMCに比較し、5-ALA添加培地で培養したPBMCでは、A549の増殖抑制、または細胞死を促進する傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線治療を施した担癌マウスから調製したPBMCのシングルセルトランスクリプトーム解析から、治癒群と増悪群の間で発現に違いのある遺伝子を確認した。DNAのメチル化解析からは、それらの遺伝子の発現変化がDNAメチル化の影響により起こるものではないことを明らかにすることができた。シングルセルトランスクリプトーム解析による経時的なPBMCのアノテーションから、腫瘍が縮小したマウスでは、治癒後に赤芽球と考えられる細胞群の出現が確認されていたが、発現変動上位遺伝子によるGO解析からも、自然免疫反応や赤血球・赤芽球の活動の上昇を示すような遺伝子が濃縮されていることが明らかとなった。 さらに発現変動上位遺伝子のひとつであるAlas2に着目し、ヒトPBMCと培養腫瘍細胞を用いた機能解析を開始した。Alas2の発現上昇により合成が促進されると考えられる5-ALAでPBMCを刺激し、腫瘍細胞への影響を確認したところ、5-ALAで刺激したPBMCでは、未刺激のPBMCに比較し、腫瘍細胞に対し、高い細胞障害性を示す傾向が認められることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
放射線治療を施したマウスPBMCのシングルセルトランスクリプトーム解析解析で、治癒群と増悪群の間で発現に違いが認められた上位遺伝子から選択したAlas2について、ヒトPBMCを用いた機能解析を実施する。 Alas2の発現上昇により、合成が促進される5-ALAで刺激したヒトPBMCが、ヒト肺がん細胞A549の増殖・生存に与える影響を確認する。まず、種々の濃度の5-ALAを添加した培地でPBMCを数日培養する。次に5-ALAで刺激されたPBMCをA549と共培養し、A549の増殖能・生存率をMTTアッセイ等で計測し、PBMCの腫瘍細胞障害性が、5-ALA刺激により促進されるかどうかを明らかにする。 また、5-ALA刺激により、ヒトPBMCの各種免疫細胞の比率がどのように変化するかを、Co-detection by indexing技術(PhenoCycler:旧CODEX)による多重免疫細胞染色を用いて解析する。5-ALAで刺激したPBMCをパラフォルムアルデヒドなどで固定し、スライドガラスに接着させる。次にオリゴバーコード標識したPhenoCycler専用の抗体(CD3e, CD4, CD8, CD20, CD56, CD68, CD11c等)を反応させ、Fusionによりタンパク質の発現を検出する。結果をQuPathやSeurat等により解析し、PBMCに含まれる各免疫細胞の割合の変化を明らかにすることにより、5-ALAの抗腫瘍免疫に対する影響を解明し、免疫活性化の新たなターゲットとなるか検証する。
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