Project/Area Number |
22K07767
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡部 明彦 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (20377253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 良平 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | バキュロウイルス / ネオ抗原 / がん免疫 / 放射線 / 放射線治療 / 免疫誘導 / ブースター / 組換えウイルス |
Outline of Research at the Start |
放射線のがん治療効果は、放射線の細胞毒性によるものと長く考えられてきた。近年、放射線刺激により引き起こされる免疫も治療効果に関与していることが明らかにされてきた。本研究計画では、腫瘍への放射線照射で活性化する免疫を追加免疫(ブースター)として捉え、がん特異抗原遺伝子を発現する組換えウイルスを、放射線照射前に、いわゆる初回免疫として投与することで治療効果の増強を図る。まずは、発現を検出しやすいモデル抗原を設定し、その遺伝子を発現する組換えウイルスとマウス由来の組換えがん細胞を構築してモデル実験系を確立し、その仮説を検証する。本研究計画の完遂を通して、より効果の高いがん治療の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
組み換えバキュロウイルス(rBV)は、EF1プロモーター下にルシフェラーゼ(Luc)遺伝子を配置して、下流側にSV40のPolyA部位を導入した遺伝子カセットをゲノム中に導入したものを設計し、構築を外注し入手した。rBVを増殖するためのヨトウガ由来のSf9細胞を共同研究先から入手した。血清入りのTNM-FH培地を使用し、接着状態で増殖維持した。この細胞にrBVを感染して5日後に回収した培養上清中のrBV力価の測定をrBVの表面抗原gp64に対する抗体を利用した間接蛍光抗体法を確立して実施した。その結果10E+7 pfu/ml程度であった。 rBVによるLucの発現に関してはin vitroでマウスがん細胞に不完全感染(abortive infection)した細胞の溶解液でLucアッセイをおこなったところ発光を検出した。また、同じ溶解液を免疫ブロットで解析したところ抗Luc抗体でバンドを検出した。 その後、条件検討の結果、浮遊状態でもSf9細胞の増殖およびrBV感染が可能となった。感染細胞の振盪培養上清を回収し、ショ糖勾配遠心でrBVの濃縮を試み50 mlの上清から0.5 mlの濃縮液を調製した。力価は5×10E+8 pfu/mlで、動物実験で使用する濃度の約100分の1低濃度であるため改善が必要である。そこで、ThermoFisher社のEpiSF CD培地でこの培地に馴化した細胞の培養を開始したところこれまでの数倍の濃度に達した。現在rBVを感染中。 構築したLucを発現するRenca細胞をBALB/cマウスの背部皮下に注入し腫瘍を形成した。腫瘍は10~14日で直径が5 mm程度にまで達した。この腫瘍にrBVを50 ul接種し、24時間後に腫瘍を回収して溶解し、Lucアッセイを行ったが有意な発光を検出できなかった。接種後のタイミングと接種したrBV力価量の問題だと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
rBVを増殖するための昆虫細胞であるが、動物細胞よりも条件が厳しいようで、特に、液体培養でなかなかうまく行かず、条件検討してうまくいくまでに1月ほどを要した。また、ウイルス感染と増殖は常法に従うことでうまく行ったが、力価測定はきちんとできるまでに時間がかかり2月ほど条件検討が必要であった。最初は寒天培地で培養しニュートラルレッドでの染色でプラークをカウントする実験を実施していたがうまく行かず、抗体を利用した免疫染色でフォーカスをカウントする方法に変えてうまくいくようになった。 遺伝子組換え実験の認可は予定通り5月に承認されたものの、動物実験の認可は7月に入るまで承認されず、準備が予定よりも遅れてしまった。もう少し前から申請を行うべきであったと反省している。 細胞培養とウイルス増殖なので、研究分担者の精通している技術と考えていたが、種類の異なるものを使用する場合、技術的な難易度もかなり異なることを実感した。1年目の遅れを2年目で取り戻すつもりであったが、逆にさらに遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
動物での治療実験の前に腫瘍へのrBVの投与によるLucの発現を確認する必要がある。現状利用できる5×10E+8 pfu/mlほどの力価のウイルスを利用して、腫瘍組織中へのrBVの投与とLuc発現の経時変化についての検討を実施する予定である。これで発現を確認できない場合は、まずはさらに濃縮されたウイルスの取得に注力したいと考えている。 今年度までの検討で、rBVのSf9細胞への感染と力価の測定も確立し、さらにはSf9細胞の高濃度増殖法も確立したので、来年度はrBVの大量調製とその濃縮法の確立が必須である。最終的には1×10E+11 pfu/ml程度の濃縮ウイルス液が必要である。この技術の確立が来年度のネックとなると思われる。早めに検討し、動物実験を開始したい。
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