空間的遺伝子発現解析を用いた食道癌CRT抵抗性に関わる免疫微小環境の検討
Project/Area Number |
22K07774
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 有史 九州大学, 大学病院, 助教 (00826365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 学 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 消化管外科部長・HCU部長 (30380405)
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | CRT / MYC増幅 / Immune deconvolution / IFN / Visium / 食道癌CRT抵抗性獲得機構 / クロストーク遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
化学放射線治療は進行食道がんに対する標準的治療ながら、治療後再発することも多く、治療効果向上のために再発の原因究明が望まれます。色々ながんが治療抵抗性となる要因として、がん細胞自体の性質の他に、がん細胞を取り巻く周囲環境を構成する細胞も重要であることが示されており、本研究では、食道がんの化学放射線治療の抵抗性とがんを取り巻く環境について、遺伝子解析により検討を行います。従来は遺伝子抽出の過程で組織構造が保てず、腫瘍の内部構造と遺伝子発現の検討が出来ませんでしたが、近年可能となった組織の位置情報を保持しつつ高い解像度で遺伝子発現を取得可能な「空間的遺伝子発現解析」を用いてこの問題に取り組みます。
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Outline of Annual Research Achievements |
化学放射線治療(CRT)は進行食道癌に対する標準治療であるが、治療後の再発も多く予後不良である。我々は食道がんCRT抵抗性の獲得に関するゲノムレベルの進化を解明し、特に重要なゲノム変化としてMYC領域のコピー数増幅を報告した(Hirata H, Motomura Y. et al. Cancer Res, 2021)。しかしこれまでの解析ではCRT再発に関与するがん微小環境を勘案した機序解明はなされていない。 われわれはVISIUM解析を実施する前に、まず最初に既存bulk検体のRNASeq解析のデータベースを用いてR PackageによるImmune deconvolution methodとMarker gene baseのmethodを使用し免疫細胞の分画を算出した。また、CRT治療前原発巣および抵抗性群間で免疫チェックポイント関連遺伝子群発現、制御性T細胞関連遺伝子群、免疫細胞浸潤(TGFβ・サイトカイン・ケモカイン等)関連遺伝子群を比較検討することで腫瘍免疫応答を総合的に評価し、CRT抵抗性/感受性との関連を検証した。その結果、どちらかに特異的な細胞はなく、有意な遺伝子も同定できなかった。 次に解析パイプラインGenomon2を用いてマッピングしたRNASeqの発現データにおいて、Myc増幅の有無でGSEAを用いて解析した。その結果IFNα・γ反応性遺伝子群がMyc非増幅群に有意に濃縮していた。また、Myc増幅 抵抗性群とMyc非増幅 感受性群における遺伝子群プロファイルを比較したところADH1を筆頭にCXCL11、SMOC1、IGLV/KV/HV、NLRP7、CAPN14などの遺伝子が前者で有意に過剰発現していた。他方、後者で過剰発現していたのは免疫グロブリン関連遺伝子(IGLV,KV,HV)であった。現在、この結果に関する解釈を鋭意進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
VISIUM解析は単価が非常に効果であり、できるだけ効率よく真実に辿り着きたい。このため既存のRNA Seqを用いたdry解析の技術を駆使して ある程度重要な細胞とクロストーク遺伝子を絞り込んでおきたいと考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
感受性群原発巣と抵抗性群原発巣それぞれから抽出したRNASeqのデータベースを用いた解析を鋭意継続して行う。これまでの解析は様々なパイプラインを駆使しておこなった(Heatmap、GSEA (HALLMARK)、Immune Repertoir解析(TRUST4;BCR・TCRレパトアを解析するソフトウェア)、HLA Typing (arcasHLA)さらにMicrobiome (Centrifuge))。特にImmune レパトア解析ではモノクローナルなTCRを持つT細胞浸潤がMyc非増幅・感受性群に多い傾向を認めた。 ごく最近、Zimmeluliらは乳がん(TNBC)の細胞株・オルガノイドでMycを過剰発現させるとIFN誘導gene setが抑制される。STING作動薬でIFNを誘導しても、Myc過剰発現下ではIFN signalを介した免疫系は機能しないことを明らかにした(Nat Commun 2022)。したがって、食道癌CRTでは、Myc増幅し過剰発現下ではcGAS-STING経路を介して、IFN type1活性を阻害する可能性が示唆された。すなわちMYC-cGAS-STING 系でT細胞系の腫瘍免疫活性化を阻害し免疫逃避に至ると考えられる。 本年度いよいよ空間的情報を担保したまま包括的発現解析が可能なVisium(10X Genomics)を用いるが、まず最初に食道癌CRT抵抗性症例におけるMYC増幅-GAS STING→IFNγ活性の低下と浸潤した腫瘍免疫細胞数(TIL)の減少を検証する。さらに、このシステム以外にも新たな治療標的を同定する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)
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[Presentation] 食道癌染色体コピー数解析による新規ドライバー遺伝子候補Chromosome 3 open reading frame 1(C3orf1)の同定2022
Author(s)
平木 嘉樹, 増田 隆明, 本村 有史, 大樂 勝司, 望月 健一, 阿部 正, 安東 由貴, 高橋 純一, 中野 祐輔, 橋本 雅弘, 細田 清孝, 久松 雄一, 戸島 剛男, 米村 祐輔, 三森 功士
Organizer
第80回日本癌学会総会
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