放射線療法における後方散乱X線を活用した完全非侵襲体内照射監視システムの開発
Project/Area Number |
22K07782
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
|
Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
河原林 順 東京都市大学, 理工学部, 教授 (80283414)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
|
Keywords | 散乱ガンマ線 / ピンホール型ガンマカメラ / 体内空隙移動検知 / 散乱線 / 放射線治療 / ピンホールカメラ / 後方散乱X線 / 放射線療法 / 腸管蠕動運動 / 体内モニタリング |
Outline of Research at the Start |
X線を活用した悪性腫瘍の治療が、国内の様々な病院にて実施されている。この治療では、体内臓器の運動によって悪性腫瘍の位置が照射中にずれることが知られており、様々な体内臓器位置モニタリング方法が提案・採用されているものの、特に消化管系の運動に対するモニタリングは侵襲性を伴うのが現状である。そこで、X線照射により悪性腫瘍を治療する際に必然的に発生する散乱X線に着目し、リアルタイムに悪性腫瘍周辺の消化管系組織運動を完全非侵襲に感知するシステムを開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
悪性腫瘍の放射線治療の際に治療用X線の散乱線を活用した人体内部の空隙移動を検知するシステム構築のため、昨年度試作したタングステン合金製ピンホールコリメータを用い、散乱ガンマ線のイメージング実験を行った。治療用X線の散乱線の挙動の実験的検証として、コバルト60からのγ線を15cm四方のアクリルブロックにビーム状に入射し、中心部から90度方向に散乱したγ線のイメージングをイメージングプレート(IP)を用いて測定したものである。その結果、がん組織を模擬したアクリル部を除去し空隙とした場合に散乱ガンマ線が減少したこと、さらに模擬腫瘍部とピンホールコリメータ部の間のアクリルブロックに腸管内ガスを模擬した1cm×3cmの空隙を設定したところ、その部分のガンマ線が増加した画像を得ることができた。さらに、ピンホールコリメータの代わりに厚さ約2cmの平行平板コリメータを用いた実験を行ったところ、ほぼ同じ結果が得られた。しかしながら、照射室壁からの散乱線の除去が不十分であったとみられるノイズのため、定量的な評価は困難であった。以上の結果より、散乱ガンマ線のイメージングが可能であることが示され、さらに散乱ガンマ線を線源としてその周囲の空隙のイメージングが可能であることが実験的に確認され、本研究課題の原理実証が実験的になされた。 また、ピンホールコリメータとIPを組み合わせたイメージングの応用として、複数のピンホールで撮影したデータから線源3次元分布の再構成を試み、コバルト57線源を用いた場合ではあるものの3次元分布測定が可能であることを実験的に確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
散乱ガンマ線のイメージング及び散乱線を活用した1cm×3cmの空隙が検知可能であることが実験的に確認された。我々のグループではイメージング装置としてイメージングプレート(IP)を活用しているが、R4年度はポータブルIPリーダーで画像の読み出しを行ったが、イメージの読み出しが不可能であった(ノイズ画像しか得られず)。しかしながらR5年度は、GE社製Amersham Typhoon scanner IP systemを用いてIPの読み出しを試みたところ散乱線画像の取得ができ、当初の計画通り研究を進めることができた。感度が重要であると推測されるため、今後の対策の検討が必要であるものの、研究を進めていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
IPによる散乱イメージング測定が可能になったため、1.より大きなアクリルファントムを用いて人体深部の空隙検知能力の評価を実施、2.CdTe検出器を用いて、散乱ガンマ線の信号量の変化を定量的に評価することにより、より臨床的な検出システムを設計するために必要なデータの取得を試みる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)