Project/Area Number |
22K07812
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宗兼 将之 金沢大学, 薬学系, 助教 (80804806)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 核医学診断・治療 / 薬物放出制御法 / リポソーム / 抗体 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、高分子から低分子薬物を放出するDrug Delivery Systemを核医学診断法に応用することで、高分子の高いがん組織移行性と低分子の速やかな正常組織からの消失性を兼ね備え、高コントラストの診断画像を取得できる新規の核医学診断法を開発する。また、標的指向性を有する高分子を用いることで、投与後数時間以内での早期における高コントラストの診断画像の取得を目指す。さらに、治療用放射性核種を用いた核医学治療へ応用することで、治療効果が高く、副作用の少ない新たな治療法を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高分子から低分子薬物を放出するDrug Delivery Systemを核医学診断法に応用することで、高分子の高いがん組織移行性と低分子の速やかな正常組織からの消失性を兼ね備え、高コントラストの診断画像を取得できる新規核医学診断法の開発を目指している。さらに、治療用放射性核種を用いた核医学治療へ応用することで、治療効果が高く、副作用の少ない新たな治療法の構築も行っている。 本年度は温度応答性リポソームを用いた核医学診断・治療法の開発として、昨年度に脂質組成を検討し、体温付近の37℃では安定に存在し、43℃で加温した場合はリポソームに内封した尿排泄性の放射性標識体を放出することを確認した温度応答性リポソームを用いたin vivo評価を行った。担がんマウスを用いた検討で、投与3時間後のがん組織への放射能集積が最も高く、投与2時間後から1時間、尻尾を加温したところ、非加温群と比べて有意に血中放射能が低下し、がん/血液比の改善が認められた。がんへの絶対的な集積量が低いなど改善すべき点はあるものの、これらの結果は本手法のコンセプトを実証するものである。また、核医学治療への応用を検討するため、治療用放射性核種による検討も実施した。昨年度に最適化した標識条件で核医学治療用放射性核種であるLu-177を用いて標識を行い、in vitro放出性を評価したところ、In-111標識体と同様に、体温付近の37℃では安定に存在し、43℃で加温した場合に放射性標識体の顕著な放出が認められ、本手法を核医学治療へ応用できる可能性が示された。 抗体からの薬物放出を利用した核医学診断・治療法の開発にも着手しているが、化合物合成に手間取っており、あまり実験を進めることができていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、担がんマウスにおける放射性標識リポソーム及び抗体の体内分布を解析するとともに、温度刺激や生体直交型反応誘起化合物の投与による血中からの放射性標識体の放出性を評価することを目標としていた。抗体からの薬物放出を利用した核医学診断・治療法の開発に関しては、化合物の合成に手間取っており、進捗状況が芳しくないが、温度応答性リポソームに関しては、目標としていた担がんマウスでの評価を達成しており、さらに、治療用放射性核種を用いたin vitro評価も終えていることから、概ね、順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
温度応答性リポソームを用いた研究に関しては、本手法のコンセプトを実証するところまで達成しているが、がんへの絶対的な集積が低く、SPECTによる画像化までは達成できていない。そのため、リポソーム表面をRGDペプチド等の腫瘍指向性分子で修飾することで、がん集積性の向上を目指す。高いがん集積性が確認できた場合は、尻尾の加温により高いがん集積と血中からの消失を同時に達成することができるかを臓器摘出法及びSPECT撮像法により評価する。また、治療用放射性核種を用いた治療への応用に関しても検討を進めて行く。 抗体を用いた研究に関しては、尿排泄性の放射性標識体を放出可能なリンカーの合成が済み次第、抗体との結合、放射性標識、抗体からの放射性標識体の放出性評価等のin vitro試験を行う。次いで、健常及び担がんマウスを用いた体内分布評価、及びin vivoにおける放出性評価を行う。これらの実験より良好ながん集積性と血中からの消失性が確認できた場合は、高いがん集積と血中からの消失を同時に達成することができるかを臓器摘出法及びSPECT撮像法により評価する。また、治療用放射性核種を用いた治療への応用に関しても検討を進めて行く。
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