sterile inflammation as a possible cause of fetal growth restriction: exploring the connection between later lifestyle-related diseases
Project/Area Number |
22K07853
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
島 義雄 日本医科大学, 医学部, 教授 (70714765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 靖幸 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50644580)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 胎児発育不全 / 早産 / 自然免疫 / 無菌性炎症 / サイトカイン / アラーミン / 亜鉛 / sterile inflammation / fetal growth restriction |
Outline of Research at the Start |
低出生体重児は心血管・代謝系の慢性疾患への罹病率が高いことから、健康や疾病罹患への感受性が既に周産期の環境により規定さているとの主張がある。この疫学的事実に科学的な説明を与えることは、新生児の出生体重が減少傾向を示す我が国において、将来のハイリスク群を抽出して予防策を立案するうえでも意義は大きい。生活習慣病に代表される慢性疾患は、感染に基づかない炎症(無菌性炎症)の遷延を主たる病態とするが、胎児の発育不全も子宮内での慢性的な低酸素負荷の結果という類似性がある。本研究では、胎児発育不全を無菌性炎症による成人慢性疾患の起点と考え、母体・胎盤・胎児での免疫細胞生物学的な解析を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、胎児発育不全を無菌性炎症による成人慢性疾患の起点と考える立場から、その機序を検証するために、母体・胎盤・胎児のそれぞれにおいて免疫細胞生物学的な解析を試みる。さらに、反応が展開する過程への介入点を見出すことで、病勢の把握や予防手段の確立に向けた世代間横断的な臨床応用の可能性についても模索することを目的としている。これらについて、我々は胎児発育不全に基づく早産あるいは低出生体重児が、出生前からすでに慢性炎症環境下にある可能性を学術的問いとし、新生児の周産期における炎症の程度と推移、さらにこれを誘導、制御するアラーミン、炎症性サイトカイン、酸化ストレス、免疫系に関する解析を行う。 具体的には、胎児と母体の接点である胎盤、分娩時の状態を示す臍帯血と羊水、そして出生後の新生児の血液・尿などを臨床試料としてアラーミンと各種免疫細胞の活性状態を分析し無菌性炎症の局在と程度を検証、さらにそれらを以下の検討から胎児発育不全に基づく早産あるいは低出生体重児の予後と対応させることを計画している。 現時点では早産児における出生直後の炎症状態を、児末梢血を用いてその解析を行なっている。ここまでの研究期間において胎児発育不全に特徴的な因子は抽出されていないが、我々は新たに新生児血清中の亜鉛濃度と早産出生週令が逆相関することが新たに見出され、さらに出生直後の亜鉛濃度は新生児の酸化ストレス、炎症性サイトカイン抑制状態と逆相関する知見を得ている。一般的に亜鉛は抗炎症作用、抗酸化作用を有し、免疫系に与える影響は非常に大きい。以上の結果をもとに、早産児における抗炎症作用を有する亜鉛の重要性について、さらに検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現時点で、本研究は早産児の出生直後末梢血の細胞解析およびサイトカイン、アラーミン、酸化ストレス解析を中心に遂行されている。子宮内発育不全に関する因子は現在認められていないものの、早産児において出生週令と血清亜鉛濃度が逆相関することが見出された。具体的には、正期産に比して早産では出生後の血清亜鉛濃度が高いこと、さらに血清亜鉛濃度値と炎症性サイトカイン産生、単球上に発現するHMC-DR (classII)、酸化ストレスは逆相関していることが見出された。以上の結果より、早産児での血清亜鉛値が高値であることは、さまざまな異常ストレス状態により過剰炎症状態で出生する早産児の保護作用があると考えている。これらの結果は現在英文論文としてまとめ、現在投稿中である。さらにこの結果は日本新生児成育学会学術集会(2023年)において学会発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの研究機関において、早産児の出生直後末梢血の免疫細胞解析では胎児発育不全に特徴的な因子は抽出されていないものの、新生児血清中の亜鉛濃度と児炎症状態が逆相関することや、血清亜鉛濃度が出生直後の早産児の過剰炎症状態、酸化ストレス状態を緩和し得る知見が得られた。 今後は、羊水中の免疫細胞の解析について解析を行なっていく。羊水中の炎症性サイトカイン、アラーミン、酸化ストレス状態の検索や、これらの胎児発育不全、妊娠高血圧腎症、絨毛膜羊膜炎などとの関わり合いを明らかにしていく。さらに流早産モデルマウスを使用した動物実験も計画している。これらマウスの羊水内の上記各種項目を検索し、流早産や胎児発育不全に関与する因子を探求、さらに低亜鉛食および高亜鉛食飼育下での妊娠帰結の検討を予定している。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)