Could epigenomic variation in microglia cause developmental disorders due to environmental factors?
Project/Area Number |
22K07855
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
駒田 致和 近畿大学, 理工学部, 講師 (90523994)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 発達障害 / ミクログリア / 脳内炎症 / 行動異常 / 感染症罹患 / エタノール / ストレス曝露 / セロトニン / 大脳皮質 / ストレス / 感染症 |
Outline of Research at the Start |
発達障害は胎児期の環境要因と遺伝要因が複合的に関与しており、特に、環境要因が誘発するエピゲノム変化による遺伝子発現の異常が、脳の形態形成や機能発達に影響を及ぼす。 本研究では、ミクログリアに異常を誘発する環境要因曝露モデルマウスを作成し、発達障害様の行動異常を検出する。形態学的、機能的解析を行うとともに、ミクログリア特異的なエピゲノム変化、及び遺伝子発現の異常をin vivoとin vitro実験系を用いて検出する。これらの解析によって、ミクログリアの機能異常を標的とした新たな予防法の確立に寄与することが期待できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
胎児期の母胎内環境は、胎児の発生や発達に重要であり、その破綻は先天奇形のみならず、微細な異常であったとしても生後の疾患の原因となり得る。その原因のひとつとして脳内炎症に起因するミクログリアの機能異常が挙げられる。本研究では、発生、発達期のミクログリアの異常な活性化の原因のひとつにエピジェネティクスの攪乱による遺伝子発現の異常があると考えた。そのため、まずは環境因子の胎児期曝露モデルマウスを作成し、形態学的異常の検出と、行動解析を用いた脳の機能異常の解析を行った。胎児期感染症罹患モデルとしてPoly(I;C)の胎児期曝露、胎児アルコール症候群モデルとして妊娠初期のアルコール曝露、ストレス負荷モデルとして母獣への拘束ストレス曝露モデルマウスを作成し、表現型の解析を行った。その結果、Poly(I:C)曝露モデルマウスでは、胎児期に時期特異的な神経新生の異常とそれに伴うミクログリアの分化異常が検出された。その異常は、成熟後に体性感覚野と後頭連合野の神経細胞の分布と層構造の形成異常を誘発し、自発的活動量の亢進や社会的相互作用の異常、学修の異常などの発達障害様の行動異常の原因である可能性が示された。妊娠初期のエタノール曝露モデルマウスでは、ミクログリアの分化異常と神経新生の促進が検出された。妊娠中の拘束ストレス曝露モデルマウスでは、神経新生の抑制と社会的相互作用の異常や成熟後のストレス応答の変化が検出された。このように、異なる環境要因曝露モデルマウスでも、表現型は一部一致しており発症機序が共通している可能性が示された。そこで、現在、各モデルマウスで遺伝子発現解析を実施しており、環境要因曝露によって遺伝子発現を撹乱されている可能性のある候補遺伝子が同定されている。ミクログリアの分化、あるいは炎症に関連した因子を中心に標的遺伝子を同定し、エピジェネティクスの異常が起きているかを確認する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでモデルマウスの作成及び解析を中心に研究を実施している。特に表現型解析では、形態学的解析や遺伝子発現解析に加え、脳の機能異常を検出するための行動解析も重点的に実施している。特に、複数個体飼育環境下での社会的相互作用の解析法を確立した。これまでに。Multiple animal positioning system (MAPS)として報告されている方法を用いて、活動量や接触回数のみならず、社会的近接性や精神運動活動、加速度を用いた運動の特性と郡内の個体ごとの差についての解析を行った。マウスは本来群れで生活する動物であるとともに、1個体で飼育すると脳機能の発達に影響する可能性が報告されている。また、解析においても、本研究課題の結果から1匹で行う試験と、複数個体で行う試験と併用することが重要であることが示された。これらの結果は論文として報告しており、発達障害様の行動異常を示すモデルマウスを鋭敏に検出することによって、ミクログリアの異常が脳の形態、機能異常を誘発するモデルマウスを鋭敏にスクリーニングすることが可能になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに、確立した胎児期環境因子曝露モデルマウスでは、胎児期、発達期、成熟後の形態学的、機能学的な解析を行い様々な表現型を検出した。同定された表現型から予測される、これらの異常の原因となりうる遺伝子の発現解析を実施する。特にミクログリアの分化や機能、脳内炎症に関わる遺伝子に着目し、発現がへんどうしている遺伝子を同定する。それぞれの系統のマウスで並行して行うとともに、時期依存的な発現異常である可能性があるため、形態学的な表現型に基づいて複数の時期で解析を行う。発現異常が検出された遺伝子について、特にプロモーター領域でのメチル化解析を行うことで、発現異常の原因となるエピジェネティクスの攪乱の検出を試みる。ここまでの解析は、大脳皮質を中心として脳の領域ごとに行うが、並行してミクログリアの単離培養を行う。単離し、培養したミクログリアの形態学的解析を行うとともに、組織を用いた遺伝子発現解析で異常が検出された因子を中止に、ミクログリア特異的な遺伝子発現解析を行うことで、ミクログリアの形態、機能、遺伝子発現解析を行う。
|
Report
(2 results)
Research Products
(10 results)