Elucidation of novel functions of prosaposin in autophagy
Project/Area Number |
22K07856
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
石塚 佑太 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50614179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 純子 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60363149)
鎌尾 浩行 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30388946)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | プロサポシン / 網膜色素変性症 / アポトーシス / ロドプシン / グリオーシス / リソソーム / オートファジー / 神経セロイドリポフスチン症 |
Outline of Research at the Start |
プロサポシン(PSAP)はリソソーム機能に必須なサポシンの前駆体タンパク質であり、その遺伝子異常はスフィンゴ脂質蓄積症を引き起こす。PSAPは分泌タンパク質でもあることから、近年PSAP独自の機能が注目されている。我々は、ヒトPSAP過剰発現マウス(PSAP-Tgマウス)を作成し、①生後5週齢までに網膜視細胞層が完全に脱落し、失明すること、②PSAP-Tgマウス網膜およびマウス胎仔線維芽細胞におけるオートファジーが異常亢進することを新たに見出した。本研究では、網膜の機能維持におけるPSAPの役割をリソソーム機能とオートファジー機能をともに制御する分子という新たな視点から解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、プロサポシン過剰発現(PSAP-Tg)マウスにおける網膜視細胞特異的な進行性の細胞死のメカニズムを解明することである。本年度はまず網膜組織切片をTUNELアッセイに供し、進行性の視細胞死がPSAP発現量依存的なアポトーシス性の細胞死であることを明らかにした。次に抗ロドプシン抗体を用いた免疫組織染色を行ったところ、PSAP-Tgマウスにおいて視物質ロドプシンの異常な細胞内局在を見出した。これらの結果は、視細胞内の過剰なPSAPが視細胞の機能維持に重要なロドプシンの外節への輸送を阻害していることを示唆するものであり、視細胞特異的なアポトーシスの直接的な原因である可能性が高い。一方、視細胞脱落に伴う個体レベルの視覚障害を評価するために明暗箱往来試験および視覚的断崖試験を含む種々の行動解析を行い、自発行動量や筋力には有意な差は認めなかった一方、PSAP-Tgマウスにおける光感受性および奥行き知覚の喪失を明らかにした。現在、視細胞内におけるPSAPの結合タンパク質を同定するための抗PSAP特異的抗体を用いた免疫沈降―プロテオーム解析、視細胞内のPSAPの詳細な局在を明らかにするための免疫電子顕微鏡解析、およびPSAP過剰発現網膜色素上皮を用いたファゴサイトーシス解析の条件検討を開始し、引き続きPSAPが惹起する視細胞死のメカニズム解明に挑む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網膜組織切片を用いたTUNELアッセイの結果、網膜視細胞死がPSAP発現量依存的なアポトーシス性のものであることを明らかにし、また免疫染色によりPSAP-Tgマウス視細胞ではロドプシンの局在に異常があることを明らかにした。これらの結果は、過剰なPSAPがロドプシンの外節への輸送障害を引き起こし、それがアポトーシスの原因である可能性を示唆している。一方、生後30日の各遺伝子型マウス(ヘテロ接合体では視細胞の約50%、ホモ接合体ではほぼ完全に喪失している日齢)を用いて個体レベルの視覚機能を種々の行動解析により評価した。自発行動量および筋力を評価するオープンフィールド試験およびワイヤーハング試験では遺伝子型間で有意な差を認めなかった。光感受性・指向性を評価する明暗箱往来試験では明箱への潜時がヘテロ接合体では野生型と同程度で有意な差を認めなかったが、ホモ接合体では野生型およびヘテロ接合体と比べ有意に短かった。一方、奥行き知覚を評価する視覚的断崖試験においてはヘテロ・ホモ接合体どちらも疑似的な崖エリアへの潜時が野生型と比べて有意に短かった。この結果は、ヘテロ接合体マウスでは残存する視細胞により光感受性は野生型マウスと同程度残っている一方、より高度な情報処理を必要とすると考えられる奥行き知覚に関してはその機能を喪失していることを示しており、ホモ接合体マウスに関しては視細胞のほぼ完全な喪失により光感受性、奥行き知覚両方の機能の喪失を示している。以上のように細胞レベルだけでなく個体レベルでも解析を進めており、また視細胞におけるPSAPの局在および結合タンパク質の同定に必要な抗PSAP特異的抗体も作製済みであり、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
まず免疫電子顕微鏡解析によりPSAPの視細胞内での詳細な局在を明らかにする。次に、視細胞内におけるPSAPの結合タンパク質を同定するために免疫沈降―プロテオーム解析を行う。これまでの研究でPSAP-Tgマウスにおいて、ロドプシンの視細胞外節への局在が障害されていることが判っており、この結果は過剰なPSAPがロドプシンの外節への輸送を妨げていることを示唆している。そこで、各遺伝子型マウスの眼球組織を抗PSAP特異抗体による免疫沈降に供し、沈降してきたタンパク質をプロテオーム解析により同定する。結合パートナーを同定することでPSAPの視細胞内での機能に迫ることができる。一方、視細胞死の原因としては視細胞自体の機能不全(上述のロドプシンの輸送障害含む)による細胞死の他、網膜色素上皮細胞におけるレチノイドサイクルの異常による二次的な細胞死も考えられる。網膜色素上皮は視細胞の外節を貪食し、レチノイドサイクルに重要な役割を担っていることからPSAP過剰発現による網膜色素上皮の貪食能の変化が、二次的な視細胞死を惹起している可能性も考えられる。そこで、ヒト網膜色素上皮の株化細胞であるARPE-19細胞にPSAPを過剰発現させ、貪食能の変化をファゴサイトーシス解析により解析する。また、貪食能の変化はレチノイドサイクルに影響を与える可能性が高いことから、各遺伝子型の眼組織から抽出したレチノール、11-cisレチナールおよびall-transレチナールを液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)により定量解析する。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)