Project/Area Number |
22K07881
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
成戸 卓也 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 主任研究員 (60438124)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 川崎病 / 冠動脈炎 / 川崎病冠動脈病変 |
Outline of Research at the Start |
川崎病と臨床診断された症例の中で冠動脈病変(CALs)を形成した症例から、 次世代プロテオミクス技術(DIA法)を用いて、川崎病コホートでのバイオマーカーとして、抽出したタンパク質の有用性を明らかにする。 それらのタンパク質がCALs形成に及ぼす影響をヒト冠状動脈内皮細胞(HCAEC)を用いて細胞生理学的に評価し、CALs形成の病態解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
重篤な合併症として冠動脈病変(coronary artery lesions: CALs)を残す川崎病は、病因や病態が未だに明らかでない小児期発症で最も多い血管炎症候群である。川崎病に合併するCALsは小児の後天性心疾患の死亡原因第一位であり、死亡に至らなくともCALsの残存は、児のQOLを損ない、成人期の冠動脈疾患合併の高リスク群となるため、CALsの発生に関連するタンパク質を同定し病態メカニズムを解明する。 血清は、最も簡単に診断や病勢を測定できるサンプルだが、アルブミンなど夾雑物が大量に含まれるために未知の分子を探索する網羅的解析には不利だった。 タンパク質の網羅的解析(プロテオミクス)は診断解析に有利な理想的サンプル(リキッドバイオプシー)とみなされることから、新規バイオマーカーの同定を試みた。 CALs 症例にてDIA(data independent acquisition)法を用いた次世代プロテオミクス(Q Exactive HF)で解析して症例の蓄積を図る。DIA 法を用いると先行研究(Scientific report. 2017)で用いたDDA(data dependentacquisition)法では抽出できなかった低濃度のタンパク質を多数検体で詳細に検討することが可能である。CALs 症例で変動する3種類中からFibulin-3を選出した。Fibulin-3は各種組織に広く分布しているが、特に血管内皮やその基底膜に強発現している。川崎病群では外れ値を示す症例は無かったが、CALs では外れ値を示す症例がみられた。またCALs症例では時間の経過とともに上昇していることが確認された。 いずれの症例も治療の結果で冠動脈瘤は生じておらずCALsと診断された症例の臨床症状および心エコーの画像を再検討して、高値を示す症例について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞に与える因子についての解決を目指していたが、マーカータンパク質として内皮細胞に影響を与える因子ではなく、影響を受けて内皮細胞自身の障害により分泌されていると推測される。適切な細胞実験の組み立てに時間がかかり、本格的な細胞を培養しての影響解析に入れなかっため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパク質は川崎病と健常児で差がなく、冠動脈病変(CALs) 症例のみで変動するものを3種類から1種類を選出した。CALs で優位差があるものの、PCA解析などから川崎病に含まれるクラスターと分離されているため、医療機関におけるCALs定義などに差があるかを臨床データの再検討を行い、冠動脈瘤のリスクについての検討行う。 プロテオミクスで選出した初発時点の検体はELISAで差が見られなかったが、経時的には上昇していることが確認されているため、引き続きELISAキットでの検体数の蓄積を図り測定を行う。川崎病の回復期に当たる検体の測定を行い、正常状態に戻る過程について検討を行う。また、以前に見出していた4種類のタンパク質でメタ解析を行い、組み合わせにより感度向上の可能性があるかの検討を行っていく。
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