皮膚症状から始まるウイルス性悪性リンパ腫の病態発症機構の解明研究
Project/Area Number |
22K07902
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
今留 謙一 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 高度感染症診断部, 部長 (70392488)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 重症蚊刺アレルギー / EBV / CD40 / CD40L / EBウイルス / 慢性活動性EBウイルス病 / 造血幹細胞移植 / 悪性腫瘍 / 蚊刺過敏症 / 悪性リンパ腫 |
Outline of Research at the Start |
皮膚症状を示すウイルス感染症は多く存在する。しかし、悪性リンパ腫まで進行するものは多くない。多くの成人が既感染であるEBウイルスが原因で発症する蚊刺過敏症(HMB)は、造血幹細胞移植でしか根治できない悪性リンパ腫に属する慢性活動性EBV病に進行する場合がある。HMBは小児期に発症する場合が多く、通常見られる蚊刺後の発赤腫脹だけでなく、蚊刺後に水泡、壊死、潰瘍を形成し発熱等の全身症状を呈するのが特徴である。本研究では、HMBの病態発症機構を解明するとともに新規標的分子の同定による治療薬・バイオマーカーの開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
EBウイルス(EBV)がNK細胞やT細胞に感染していることが基底のある疾患として重症蚊刺アレルギー(SMBA)がある。蚊刺過敏症として知られ発症にはEBV感染T/NK細胞が重要な役割を果たしている。蚊に刺された局所に発赤腫脹、壊死を伴う強い局所反応に加え、リンパ節腫脹、肝障害などの全身症状を呈し、EBV関連悪性腫瘍やEBV関連血球貪食性リンパ組織球症(EBV-HLH)を発症し死に至る場合も少なくない。病態の最初が蚊に刺された後の水疱や発赤腫脹であり、その後悪性腫瘍へ進展することがある難治性の疾患である。現在抗EBV薬はなく、対症療法が中心であり、EBV関連悪性腫瘍や重症EBV-HLHの場合は骨髄移植しか根治療法はない。しかし、SMBAの発症機序や悪性腫瘍への促進のメカニズムはほとんど明らかとなっていない。本研究で、SMBA発症から悪性腫瘍への移行メカニズムの解明と病態発現メカニズムの解明を進めている。これまでの研究によりSMBA発症患者のEBV感染NK細胞やT細胞は本来発現がないCD40を細胞表面に発現し、既に発現しているCD40リガンド(CD40L)と相互作用し、CD40シグナルが伝達され、感染細胞自体が活性化促進し、その結果アポトーシス抵抗性、薬剤抵抗性を獲得していることが明らかとなった。また、SMBA患者の血漿中における分泌型CD40Lの産生量が健常人と比較して高いことが明らかとなった。さらに、EBV非感染細胞であるCD4陽性T細胞の活性化が高く、CD40Lの発現も高い傾向にあることが示された。in vitro実験においてSMBA患者末梢血PBMCに蚊の分泌液を添加するとEBV非感染CD4陽性T細胞が活性化し、サイトカイン産生も促進された。また、EBV感染NK細胞やT細胞の活性化も上昇し、増殖速度の上昇傾向が見られた。今後、さらに症例数を増やし、これまで明らかとなった現象の再現性の検討と、SMBAモデルヒト化マウスの作製とin vivoにおける蚊分泌液接種による病態発症メカニズムの検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響による重症蚊刺アレルギー患者の来院が激減し、患者PBMCを使用した実験や現象の再現性実験に遅れが出ている。新型コロナウイルスの影響が少なくなってきたが、すぐにコロナ前の状況へは戻っていないのが実情である。そのため重症蚊刺アレルギー患者から樹立したEBV感染細胞株を利用したin vitro実験が主体となっている。重症蚊刺アレルギーモデルヒト化マウスの作製には重症蚊刺アレルギー患者PBMCが必要であるため、いつでも対応できる体制を確保し、患者来院に備えている。今後、徐々にコロナ前の状況へ来院数が戻っていくことが予想されるので、当初予定されていた実験を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、重症蚊刺アレルギー(SMBA)患者の末梢血中のEBV感染NK細胞やT細胞で、異所性のCD40の発現が示されている。SMBA患者由来のEBV感染NKないしT細胞株に対し、過剰なCD40シグナルが伝達されることによる病態発症への影響と悪性腫瘍に進展する際の役割について検討する予定である。また、SMBA患者PBMCを用いたSMBAモデルヒト化マウス作製とそのモデルマウスへの蚊分泌液接種によるin vivoにおける感染細胞の動態および病態発症メカニズムの解明を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Updated guidelines for chronic active Epstein-Barr virus disease.2023
Author(s)
Kawada J I,Ito Y, Ohshima K, Yamada M, Kataoka S, Muramatsu H, Sawada A, Wada T, Imadome KI, Arai A, Iwatsuki K, Ohga S, Kimura H
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Journal Title
Int J Hematol
Volume: 118
Issue: 5
Pages: 568-576
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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