Project/Area Number |
22K07915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
津田 雅之 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (90406182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都留 英美 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (70380318)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 臍帯血 / 脳性麻痺 / 血液脳関門 |
Outline of Research at the Start |
脳性麻痺による新規治療法として、臍帯血移植治療が行われている。この治療法をより効果的なものとするためにも、そのメカニズムを分子・細胞レベルで解明する基礎的な研究が必要である。脳性麻痺モデルマウスを用いたこれまでの研究から、移植臍帯血細胞の脳実質内への浸潤が、内在性の神経幹/前駆細胞を賦活化に重要だと考えた。本研究では、脳実質内への移植細胞の浸潤に着目し、そのメカニズムを明らかにするため、①移植細胞が浸潤する時の血液脳関門はどのような状態か、②どのようなメカニズムで血液脳関門が破綻する(開く)のか、③移植細胞の中で、脳実質内に浸潤する細胞種は何か、について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳性麻痺に対する新規治療法として本学医学部附属病院で実施されている自家臍帯血移植治療の治癒メカニズムを明らかにするため、新生仔低酸素虚血性脳傷害モデルを改良した独自の脳性麻痺モデルを開発し解析を行ってきた。生後9日齢の免疫不全マウスを用いてモデルマウスを作製し、3週間後にヒト臍帯血細胞を静脈内投与すると、内在性の神経幹細胞が賦活化し、分化した神経前駆細胞は増殖しながら損傷部位に誘導されることが明らかとなった。移植細胞の脳実質内への浸潤は、神経幹/前駆細胞の賦活化による脳傷害の改善に向けた最初の重要なステップと考えられる。血管に投与された臍帯血細胞が血液脳関門(BBB)を超えて、どのように脳実質内に浸潤するのかを調べることにした。 昨年度から継続して、脳傷害3週間後の慢性期においても、傷害部位ではBBBの破綻が継続しており、BBBを構成するアストロサイト、ペリサイトが血管周囲に存在せず、その構造や機能が維持できないことが原因であることを示した。さらに、慢性期においてもBBBの破綻が継続する原因を調べた。BBBの機能制御に、脳内免疫細胞であるミクログリアが関与していることが知られていることから、マーカーを用いた免疫染色により傷害部位におけるミクログリアの形態学的評価を行った。結果、傷害部位のミクログリアは活性型へと変化し、それは、炎症性のM1型であることが分かった。慢性期も脳内の炎症が続いており、M1型ミクログリアがBBBの破綻を継続させていると考えられた。 次に、脳傷害3週間後にヒト臍帯血細胞を静脈内投与し、投与3週間経過した時点で採取した脳を用いて、BBBの破綻やミクログリアの形態を調べた。臍帯血細胞投与群では非投与群に比べ、ペリサイトは血管周囲に戻りつつあり、またM1型ミクログリアも減少していた。臍帯血細胞投与は、脳内炎症の抑制やBBBの改善にもつながると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳性麻痺モデルマウスにおける脳傷害3週後の慢性期(臍帯血投与時)の血液脳関門の形態を一部明らかにすることができたが、血管内皮細胞のタイトジャンクション基底膜も含めたより詳細な解析までできていない。また、脳実質内に浸潤した臍帯血細胞の同定に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度結果が得られなかったタイトジャンクションや基底膜などについて、免疫染色やwestern blot法を用いて調べる。さらに、電子顕微鏡による血液脳関門の構造観察も行い、慢性期における血液脳関門の形態、機能を明らかにする。また、脳性麻痺モデルマウスに臍帯血細胞移植後の血液脳関門についても引き続き解析し、臍帯血細胞移植の効果を調べる。さらに、脳実質内に浸潤している細胞を免疫染色やフローサイトメトリを用いて同定し、その役割を明らかにする。
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