Project/Area Number |
22K07958
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
富山 智香子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80359702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 百合子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00169301)
佐藤 英世 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60235380)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / 肝臓免疫 / 脂質代謝 / 樹状細胞 / 脂質異常 / 肝樹状細胞 |
Outline of Research at the Start |
自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis: AIH)は中年女性に好発する慢性肝炎であり、肝細胞に対する免疫寛容破綻が原因といわれているが、その原因は解明されていない。さらに近年男性患者や有病率が増加し、発症・病態進展因子の変容と複雑化という課題に直面している。申請者は肝臓内の樹状細胞に着目し、AIHの肝細胞障害の原因として、肝樹状細胞の数的・質的異常を明らかにし、更に低エストロゲン状態でその異常が緩徐に促進されることを明らかにした。本研究では、生活習慣病の1つである脂質異常が肝内樹状細胞の数および質的変化に及ぼす影響から、AIHの肝細胞障害機構の機序と制御について明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫性肝炎(AIH)は中年女性に好発する慢性肝炎であり、その発症に遺伝要因と環境要因の複合的な関与があるといわれている。病態は自己肝細胞に対する免疫寛容破綻であると考えられるが、標的抗原や発症・病態進展機構は未だ解明されていない。近年では男性患者や有病率の増加もあり、その発症・病態進展因子の変容が起こっている。我々は発症・病態進展機構の一因として、肝臓の抑制能をもつ形質細胞様樹状細胞(pDC)の減弱化と通常型樹状細胞(cDC)の増加と炎症誘発性サイトカインの産生増強、さらに、これらの状態が低エストロゲン状態で限定的に促進されることも報告した。このことは、AIHの肝内DCの変容を惹起する強力な環境要因が他にあり、かつエストロゲン低下に付随して起こる因子である可能性が高い。脂質異常はエストロゲン低下の起こる閉経に頻発する。本研究では、脂質異常が、AIHの肝内DCの変容を惹起する因子かを検証し、AIHの発症・病態機構を明らかにすることを目的とした。 そこで、初年度に当たる今年度は脂質異常がcDCの性質へ与える影響を検証するために、高脂肪食(HFD)を給餌したマウスから骨髄由来樹状細胞(BMDC)を誘導し、免疫表現型とサイトカイン産生について解析した。HFDを給餌したマウスから誘導したBMDCの免疫表現型や各種機能分子について通常食(ND)を給餌したマウスのBMDCと比較検討したものの、cDCの分画および共刺激因子いずれも変化を認めなかった。一方でTNF-αやIL-12 (p70)のサイトカイン産生能についてHFD給餌マウスBMDCは有意な減弱を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HFD給餌による脂質過剰状態はBMDCの免疫表現型には影響を与えないものの、炎症誘発性サイトカイン産生が減弱した。これらは予備実験とは異なり、その整合性を確認することに時間を要したため、当初計画していたHFD給餌による脂質異常が肝DCの免疫表現型とサイトカイン産生能、脂質関連因子に与える影響についての解析に取り掛かることができなかった。しかし、今年度の研究結果により脂質異常は骨髄の幹細胞から誘導するcDCの免疫表現型には影響しないことが検証できた。一方、HFD給餌によるBMDCの炎症誘発性サイトカイン産生の減弱化については次年度も精査し、並行して検証する。BMDCの機能減弱の検証解析終了後は、AIHの標的臓器である肝臓のDCに焦点を絞って解析を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
脂質過剰が肝DCへ与える影響について、BMDCと同様に免疫表現型を変化させないが炎症誘導性サイトカイン産生の減弱化のみ誘導するのかを検証する。また、既知の報告ではDC細胞質内に脂肪が蓄積することにより、機能減弱を誘導するといわれている。そこで、HFD給餌マウスの肝DCおよびBMDCの細胞内脂肪蓄積についてフローサイトメトリー解析を行い、検証する。更に並行して今後はAIHモデルマウスを用いた検証にも着手し、HFDおよびND給餌マウスにAIHを誘導して肝DCのpDCとcDCの割合および免疫表現型、機能的分子についてフローサイトメトリー解析を行う。さらに、同様のサンプルを収集し、炎症誘導性サイトカインおよび抗炎症性サイトカイン産生についても検証を行う。DCの細胞死の指標としてシスチン・グルタミン酸トランスポーター(xCT)解析を行うための実験サンプルの収集準備を進める。
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