Project/Area Number |
22K07965
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
森 義徳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (80468248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 英嗣 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30405188)
片岡 洋望 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40381785)
青山 峰芳 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (70363918)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | reovirus / exosome / DDS / GIST / 腫瘍溶解性ウイルス / Drug delivery system |
Outline of Research at the Start |
本研究では間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell: MSC)を用いたウイルスのDrug delivery system (DDS)の開発を目指す。MSCは生体から拒絶反応を受ける確立が低く、腫瘍への集積性を有することから、ウイルスを効率よく腫瘍に届けるDDSとしての機能が期待できる。さらにウイルスに感染したMSC由来のエクソソームはウイルス感染の促進作用があり、がん治療への応用が期待される。本研究では、消化管間葉系腫瘍を対象に、腫瘍溶解性ウイルス、レオウイルスを用い、 MSCのDDSとしての有用性、ウイルスに感染したMSCが放出するエクソソームの抗腫瘍効果を検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、腫瘍溶解性ウイルス、reovirus のDrug delivery system(DDS)の 開発の基礎になる実験を遂行した。本研究では、間葉系幹細胞のexosomeをDDSとして使用するため、予備実験として間葉系幹細胞の培養液中に存在するexosomeの抽出および、間葉系幹細胞のreovirusの対する感受性を検証した。ヒト脂肪細胞由来の間葉系幹細胞を使用し、効率よくexosomeを回収するための培養条件の最適化、抽出の手順を確立した。さらに、間葉系幹細胞にreovirusを暴露し、WST-8アッセイによりreovirusによる増殖抑制能を評価した。Positive controlには、reovirusへの感受性が報告されているヒト大腸がん細胞株、HCT116を使用した。各細胞に、複数の濃度(1 multiplicity of infection (MOI), 3 MOI, 10 MOI)のreovirusを暴露し、24、48、72時間後に細胞の生存率を測定した。HCT116はreoviurusの濃度、暴露時間依存的に、細胞の生存率が低下したが、間葉系幹細胞ではreovirusによる増殖抑制は認めなかった。さらに、reovirusに暴露した間葉系幹細胞の培養液中のexosomeを抽出し、その有効性についてHCT116を用いてWST-8アッセイにより評価した。このexosomeは、濃度依存的にHCT116の増殖を抑制し、また、蛍光免疫染色では、このexosomeに暴露されたHCT116ではreoviruの蛋白の発現がみられ、間葉系幹細胞のexosomeがreovirusのDDSとして機能している可能性が示された。reovirusに暴露した間葉系幹細胞の培養液中のexosomeのサイズを流体計を用いて検証したところ、reovirusの粒子よりやや大きな100nmを主体としたものであった。さらに、電子顕微鏡を用いて、その形態を観察したところ、reovirusの粒子よりも、一回り大きな粒子を認められ、exosomeにreovirusが内包されている可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本研究の基礎となる、間葉系幹細胞からのexosomeの抽出、およびreovirusに感染させた間葉系幹細胞由来のexosomeの抗腫瘍効果について検証し、概ね想定内の結果を得ることができた。実験の進捗に関しても、exosomeの抽出については、やや難渋したものの、最適な方法を確立したため、今後の研究は滞りなく遂行できる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、reovirusに暴露した間葉系幹細胞由来のexosomeを用い、exosomeがreovirusのシールドとして機能しているかを中心に検証する。具体的には、reovirusの中和抗体を用いた増殖抑制アッセイや蛍光免疫染色による感染率への影響を検証する。中和抗体には、reovirusのcapsid蛋白で、reovirusと標的となる腫瘍細胞の接着に関わる蛋白、σ1蛋白、reovirusが細胞に取り込まれた後に、増殖を抑制する細胞内蛋白の作用を阻害する、σ3蛋白の抗体を用いる。これらの抗体と、reovirusを混和した後にHCT116細胞に投与し、reovirusの有効性を検証するとともに、reovirusに暴露した間葉系幹細胞由来のexosomeと抗体を混和した後にHCT116細胞に投与し、その有効性を比較検討する。さらに、免疫力のあるマウスにreovirusを感染させ、reovirusに対する抗体が含まれる血漿を回収し、同様の検証を行う。
|