Project/Area Number |
22K07982
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
坪井 順哉 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (70829324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 暁子 三重大学, 医学系研究科, 特任准教授(研究担当) (00598980)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 細胞外小胞 / 膵癌 / 膵がん |
Outline of Research at the Start |
膵癌は進行が速いため発見時には手術不能である場合が多く、抗がん剤などの治療効果が低いことから非常に予後が悪い疾患です。予後改善のためには、早期発見のためのバイオマーカーや新しい治療薬の開発が必須となりますが、今回我々は細胞外小胞という細胞から放出される粒子に着目しました。細胞外小胞の中には様々なタンパク質やRNAなどが含まれており、標的となる細胞の中に取り込まれて癌の進行などに関わると言われています。本研究の目的は、膵癌の進行に関わる細胞外小胞中の成分を同定することで早期発見につながるバイオマーカーを開発し、さらにその成分を阻害することで、膵癌進行を抑制する新規治療薬の開発につなげることです。
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Outline of Annual Research Achievements |
膵がんのEUS-FNA検体、36検体から細胞外小胞(EV)を回収し、intact EV数およびサイズの測定を行った。また、コントロールとして自己免疫性膵炎(AIP)6例の残余検体からEVを回収した。膵癌ステージⅠ~Ⅳ、AIPの比較を行ったところ、EV数の平均はステージⅠ、Ⅱに比べⅢは高くなるが、ステージⅣでは減少を認めた。EVの平均サイズについてはステージⅢまでは上昇し、ステージⅣで低下を認めた。この結果が血中でも反映されるかを調べるために、膵癌患者30人(ステージI:3人、II:12人、III:2人、IV:13人)の血清を回収し、血中EV数を測定した。その結果、血中EV数は、各ステージ間では大きな変動はなかったが、平均値としてステージIIB以降で高くなる傾向があった。EUS-FNA検体でも認めたように、ステージIVで血中EV数が低下する患者も認めた。TNM分類の各因子で解析したところ、リンパ節転移がある患者で血中EV数が有意に高くなることがわかった。 膵癌におけるEVの機能解析をおこなうため、ヒト膵がん細胞株Panc-1やMIA-Paca-2からEVを得ることとした。膵癌増殖に関与するという報告があるサイトカインを添加したところ、膵癌細胞がこれらの刺激に反応してEVを放出することを明らかにした。ただし、細胞種によって、EVを放出するサイトカインの種や濃度は異なっており、サイトカインの濃度が高い方が良いというわけではなく、EVを放出できる細胞の状態を保つ至適濃度があることがわかった。最終的に、MIA-Paca-2ではIL-1βやTNF-αを含む4種のサイトカインによりEV放出量が2-2.5倍高くなることが、Panc-1ではIL-1βを含む4種のサイトカインによりEV放出量が2倍高くなることがわかり、それぞれの膵癌細胞がEVを放出するサイトカインの至適濃度を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って、ある程度予定通り遂行できている。 膵癌患者の血中EV数を測定し、解析した。 ヒト膵癌細胞株を用い、膵癌の細胞増殖に関わる既知のサイトカインを添加して刺激し、産生されたEV回収を行った。細胞株ごとにEVを放出するサイトカインの濃度は異なっており、各細胞株がEVを放出するサイトカインの至適濃度を決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
①EVの標的細胞として、間質を形成するヒト線維芽細胞に膵癌細胞株から得られたEVを添加し、細胞の活性化を細胞形態・細胞走化性・遺伝子発現の変化により検討する。標的細胞が有意に活性化される条件を決定し、RNA-sequencingやリン酸化プロテインアレイを用いて標的細胞内の活性化経路を網羅的に解析し、膵癌EVが影響をおよぼす標的細胞の活性化経路を同定する。また、EVに封入されたmiRNAが標的細胞の活性化に関与する可能性を検討するため、EVからRNAを抽出し、miRNA-sequencingにより膵癌進行に関わるmiRNA成分を同定し、miRNAデータベースを用いて標的細胞の活性化経路に関与すると予測されるmiRNA成分を複数選択する。最後に、標的細胞を活性化するEV成分を特定するために、選択したEV成分を標的細胞に導入し、標的細胞の活性化を検討する。標的細胞の活性化がみられた成分に関しては、anti-miRNAを同時に導入することで標的細胞の活性化が抑制できるかを検証する。 ②膵癌進行に関わるEV-miRNAを同定した後、膵癌患者および健常者の血中EVを精製し、精製EV中における上記miRNAをTaqman miRNA assayにより測定する。また、血清を用いて同様にmiRNAを測定し、精製EVを使用して得た数値と比較することで、EV成分の測定に血中EVを用いるか血清を用いるかを決定する。これらの成分量と膵癌のステージや予後との関係を解析し、ヒト膵癌診断に応用可能なバイオマーカーとしての意義を検証する。
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