深部心筋に安定焼灼傷を形成する高周波通電法構築(抵抗伝導加熱と灌流冷却の適正化)
Project/Area Number |
22K08096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
池主 雅臣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40303151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 修 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40752457)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 高周波アブレーション / 不整脈 |
Outline of Research at the Start |
現状の高周波アブレーションは心筋表層から生じる不整脈には有効であるが、深部心筋起源の不整脈の治療は困難で、一旦抑制できても不安定焼灼の場合は早期再発となる。深部心筋を安定焼灼する工夫が研究されているが(Bipolar法、低濃度食塩灌流法、長時間通電法など)、焼灼深度調整・効果判定・致命的合併症回避(スチームポップによる心筋破裂など)に課題があり臨床普及は遅れている。本課題は心筋焼灼を規定する複数の因子(通電出力・通電時間・カテーテル接触圧・組織抵抗・イリゲーション灌流の液量、温度、濃度)を適正化して、目標心筋深度に安定焼灼傷を作成する通電モードに再構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
冠動脈灌流によって拍動収縮する食用豚心筋切片モデルを用いて、心筋興奮指標(局所電位、興奮閾値、興奮伝搬)・工学電気指標(電流・電圧・インピーダンス)をモニターして高周波通電ができるオリジナル実験系で、深部心筋に安定した焼灼傷を形成する通電法の構築を進めている。2022年は通電中のインピーダンス変化に応じて高周波出力を調整するインピーダンスガイドパワーコントロール(IGPC)法を考案し、その有効性と安全性を検証した。IGPC法は通電中のインピーダンスの過剰低下を予防することができ、従来の固定出力法に比べて心筋貫壁性焼灼傷を安全に形成することができた。実験ではIGPC法が同一仕事量の固定出力法に比して、貫壁性焼灼傷の形成成功率が高く、スチームポップによる合併症も回避できる事が検証された。またその理由はIGPC法が伝導加熱を有効利用しているためと考えられた。これらの成果は専門誌と関連学会に報告した。 高周波アブレーション治療後の不整脈再発は不十分な心筋加熱にある。心筋は一定時間50℃以上に加熱されると安定した焼灼傷に至るが、不十分加熱の場合は一時的に抑制された興奮伝導が術後に回復して不整脈の再発に至る。高周波アブレーションに用いられるイリゲーションカテーテルは、カテーテル接触心筋の過度な温度上昇を防ぐため、生理食塩水噴射でカテーテル先端を冷却しながら通電を行う。イリゲーションカテーテルでは通電開始初期の最大温度上昇点は心筋表面よりやや深部となる。このため不十分出力で短時間通電を行った場合、治療直後に抑制された心筋表面の興奮伝導が再伝導を生じる事を実験的に検証した。またこの再発現象は通電時間を適正化する事で予防できることを確認して関連学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通りに研究を進めており、初期の成果は専門誌(journal cardiovasc electrophysiol 2022)と2022年11月の日本不整脈学会秋季大会、2023年3月の日本循環器学会総会で発表した。現在はさらなるデータ蓄積と分析を行うとともに、予定したプロトコールを進めて深部心筋に安定した焼灼傷を形成する高周波通電モードの構築に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
独自に開発した(冠動脈灌流拍動心筋実験系)を用いて、臨床治療と同様の心筋電気生理情報を取得しながら、深部心筋に安定した焼灼傷を形成する高周波通電モードを構築する研究を推進する。2022年に考案したIGPC法における出力・通電時間の適正化を行い、臨床治療に応用できる通電モードにデザインする。高周波通電回路に組み込んだ測定機材から得られる工学電気指標を用いて、各種通電モード(ユニポーラ通電、バイポーラ通電、高出力通電、標準出力通電、長時間通電、短時間通電)に共通するスチームポップ予測指標を確立して、より高い安全性の確保を行う。不整脈再発に関わる不十分加熱心筋の空間分布をマッピングして、不十分加熱から適切加熱に移行させるための通電法の構築に展開する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)