Project/Area Number |
22K08125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
匹田 貴夫 岡山大学, 研究推進機構, 特任准教授 (00437005)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 血管内皮細胞 / 細胞極性 / 炎症 / メタボリックシンドローム / 機械学習 / 流体力学 / 組織間相互作用 |
Outline of Research at the Start |
日本人の死因の第二位は心疾患、第四位は脳血管障害で、どちらも動脈硬化によって起こる血管の詰まりが主な原因とされます。動脈硬化を起こした人を調査したところ、肥満・高血圧・高血糖・脂質異常症を併発していることが明らかになり、メタボリックシンドロームという病気が定められました。動脈硬化は全身の血管のなかでも血流が悪い部分で起こる事が知られています。私達のグループは、遅い血流が血管の内皮細胞に炎症を起こし、動脈硬化を形成する仕組みを発見しました。この研究課題では、これまでの発見に基づいてメタボリックシンドロームによる動脈硬化を研究し、効果的な予防・治療法の手がかりを探します。
|
Outline of Annual Research Achievements |
メタボリックシンドロームモデルマウスにおけるPAR-3欠損の影響(1-2年目) 初年度においては、初代培養血管内皮細胞に対してコントロールsiRNAまたはPard3 siRNAをトランスフェクションにより導入した。次に、これらの細胞を特殊なチャンバーに移し、層流または乱流を付加した条件下で培養した。現在、これらの培養細胞本体および培養上清を回収し、発現変動の認められる成長因子の解析を進めている。 次に、予備実験として、野生型マウスを食餌誘導型メタボリックシンドロームモデルマウスとした。経時的に体重、血糖値および血中コレステロール量の変化を調べメタボリックシンドロームの進展に関わる基礎データを得た。また、同マウスより内臓脂肪および腎臓、肝臓を採取し、免疫細胞により血管内皮細胞のaxial polarityとマクロファージ浸潤の関連を解析している。 さらに申請者は、組織における血管構造の最適化とその破綻による病態進展に着目し、研究を発展させている。血管新生の過程において、当初過剰に血管が形成された後に、プルーニングと呼ばれる不要な血管の刈り込みプロセスを経て、血管網の最適化が起こる。申請者らは、マウスの網膜血管網をモデルとし、免疫染色によりプルーニングされた血管を可視化し、機械学習モデルを用いてプルーニングサイトの予測モデルを確立した。今後、PAR-3ノックアウトマウスの血管網を用いて同様の解析を行い、血管内皮細胞の血流感受性が血管の成熟・リモデリングにおける役割を明らかにする。さらに、虚血により誘導される新生血管は病態の進展に重要な役割を果たす事が知られているが、PAR-3はこれら病的な新生血管の成熟に重要な役割を果たす可能性を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食餌誘導性にメタボリック症候群を引き起こすマウスの条件が確立されつつある。 また、PAR-3をノックダウンした血管内皮細胞を液流付加条件下で培養する手法を確立した。 さらに、PAR-3を血管内皮細胞特異的にノックアウトしたマウスの網膜血管網をモデルとして、機械学習により血管のリモデリング(刈り込み)が生じる部位を予測するAIを開発した。
|
Strategy for Future Research Activity |
PAR-3欠損血管内皮細胞が分泌する因子をRNAシークエンス解析により網羅的に同定し、バイオインフォマティクスによりランク付けを行う。さらに阻害剤およびsiRNAを駆使したin vitro共培養系によりこれら分泌因子の脂肪細胞の炎症に対する影響を検討する。 また、同分泌因子のメタボリックシンドローム進展における役割をモデルマウスを用いて検討する。 さらに、肥満により虚血状態となった脂肪組織内部での血管リモデリングにおけるPAR-3の役割を明らかにする事で、慢性疾患において局所での血管新生が炎症を亢進させるメカニズムの存在を検討する。
|