がん組織における心筋特異的トロポニンT発現の病態生理学的意義
Project/Area Number |
22K08128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
鶴田 敏博 宮崎大学, 医学部, 教授 (10389570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90347055)
池田 龍二 宮崎大学, 医学部, 教授 (50398278)
畠山 金太 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60325735)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 肺がん / トロポニンT / 免疫活性 / 転移 / トロポニンT / がん / 免疫チェックポイント阻害薬 |
Outline of Research at the Start |
「がん患者」の安全な治療の継続と、「がんサバイバー」の心血管有害事象を克服するための研究の一環として行うトランスレーショナルリサーチである。がん細胞におけるトロポニンTの発現・機能解析を行い、①がんの予後規定因子としての心筋トロポニンT発現の意義、②免疫チェックポイント阻害薬を使用する際の心毒性リスク層別化のための心筋トロポニンTの有用性を明らかにする。①②が明らかになれば現行より確実な診断法を構築でき、がん患者の安全な治療を行うことができると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
血中心筋トロポニン-T濃度は心筋梗塞や抗がん剤による心筋障害のバイオマーカーとして日常診療で用いられる。我々は明らかな心筋障害がないにも関わらず血中トロポニン-T濃度が高値で、がん組織がその産生源である可能性のある患者を経験した(Tsuruda T, et al. Front. Cardiovasc. Med., 2019; 6:124)。本研究はこの臨床経験をもとに計画され、がん組織でのトロポニン-T発現を検討した。肺がん患者68名(68±11歳、初期病変33例、進行病変35例)のパラフィン切片を用いてトロポニンTの免疫染色(Clone13-11, 1 microgram/mL)を行った。トロポニン-Tの発現頻度は37%(25/68例)でがん細胞の細胞質や核にその免疫活性を観察した。その内訳は、扁平上皮癌(6/13例)、腺癌(18/50例)、神経内分泌癌(0/4)、大細胞癌(1/1例)であった。また、免疫活性の陽性頻度は初期病変(0-I期)は9%(3/33例)、進行病変(II-IV期、再発例)は63%(22/35例)だった。さらにトロポニン-T陽性頻度は胸膜浸潤(9/35 vs. 4/5, χ2=5.877, p=0.015)や血管浸潤(9/35 vs. 3/5, χ2=2.449, p=0.118)で増加傾向を示し、リンパ管浸潤例で減少傾向であった(13/35 vs. 1/5, χ2=3.288, p=0.07)。術中病理に提出された扁平上皮癌および腺癌組織ではトロポニン-T遺伝子発現を検出した。以上から、心筋トロポニン-Tはがん組織でも発現し病期の進行と関連する可能性が示唆された。今後、がん組織におけるトロポニン-Tの病態生理学的役割について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究成果は論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
がん組織に心筋トロポニン-Tが発現する病態生理学的役割について培養細胞を用いて検討する。まず、肺がん細胞の中からトロポニン-Tを発現するものを抽出し、RNA干渉法もしくは遺伝子導入にて、細胞の形態や分子生物学的手法を用いて解明に臨む。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)