Project/Area Number |
22K08153
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53020:Cardiology-related
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 優子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20345812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本藏 直樹 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (40518081)
佐野 秀人 東海大学, 医学部, 特任講師 (80623842)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 線溶抑制系 / 可視化解析 / トロンビン活性化線溶阻害因子 / トロンボモジュリン / トロンビン / 向凝固薬 / 血管内皮細胞 / トロンビン活性 / 抗凝固薬 / 血栓止血 / 止血血栓 / 線溶抑制機能不全 |
Outline of Research at the Start |
血栓性疾患の治療に伴う出血リスク、新規トロンボモジュリン異常症で繰り返される異常出血などは、線溶抑制機能不全による止血血栓の不安定化がその病態基盤の一因であると考えられる。現状、生体における血栓形成溶解制御機構の理解は不十分である。本課題では、これまでに申請者が提唱してきた血管内線溶反応の時空間的制御機構を、血管内皮・血管壁・血流存在下に検証し、生体の止血血栓維持における線溶抑制系の役割を明らかにすることで、出血病態の回避を可能にする新たな治療戦略の提言につなげる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、血栓性疾患に対する抗血栓療法施行時の副作用としての出血性病態、新規トロンボモジュリン異常症で繰り返される異常出血などの病態を想定した。この出血病態を回避するために、生体の線溶抑制系による止血血栓維持能の概念を確立し、その強化が新たな出血回避の方策となる可能性を明らかにすることを目的としている。 線溶抑制因子にはα2-アンチプラスミン、プラスミノゲンアクチベータインヒビター1、トロンビン活性化線溶抑制因子(TAFI)がある。このなかでTAFIは、その活性化にトロンビンが関わり、抗凝固薬使用時にはトロンビン活性の減弱にともない、TAFIの活性化が大きく影響をうけることが予想される。活性化TAFIによる線溶抑制作用は、そのcarbpxypeptidaseの特性から、フィブリン上のカルボキシル基端のリジンを切断しプラスミノゲンの結合を阻害することである。 23年度は前述の凝固活性減弱時のTAFI活性不全に関して、血小板血漿を用いたフィブリンクロット形成溶解可視化解析にて得られた特異的な所見を論文にまとめ投稿した。24年度中の受理を目指す。またTAFIの活性化に関わるトロンボモジュリンは血管内皮細胞上に発現する膜貫通タンパク質である。内皮上のトロンボモジュリンに結合したトロンビンはTAFIとともにプロテインCを協力に活性化し抗凝固活性を発揮する。内皮上の抗線溶・抗凝固のバランスを明らかにすべく、変異型トロンボモジュリンを発現する内皮細胞を作成し、野生型との比較検討を進めた。24年度にデータを揃えて論文作成にとりかかる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度はトロンビン活性修飾(抗凝固薬による)とTAFI活性化の特性を明らかにした。血管内皮上での検討もあわせて進められている。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度は最終年度であり、当初想定した病態モデルとして出血症状を呈するトロンボモジュリン異常症における解析を進める。同疾患の血漿を用いた凝固線溶関連アッセイでの検証、さらに同疾患モデルの血管内皮細胞をゲノム編集により作成し内皮上の凝固線溶活性の調節機構におけるトロンボモジュリンの生理学的意義の解明を進めるとともに、同疾患ひいては線溶抑制系不全における出血回避法の提案につなげる。
|