Project/Area Number |
22K08229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高宮 里奈 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (70365419)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 充史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00768939)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ホスファチジルコリン / ミトコンドリア / Nrf2 / 肺癌 / リピドミクス解析 / 小胞体 / コリン / リン脂質 分解酵素 / II 型肺胞上皮細胞 / 肺線維症 / 肺がん |
Outline of Research at the Start |
肺サーファクタントの分泌や肺胞上皮の複製を担うATII細胞の形態異常は、様々な難治性呼吸器疾患と関連すると考えられている。しかしながら、ATII細胞の形態変化は複雑で、細胞膜脂質の調節機構は十分に理解されていない。 最近申請者は、PNPLA 6 の発現がATII細胞やがん細胞の形態変化に寄与する機能分子である可能性を示す知 見を得ている。そこで本申請研究案では PNPLA6 の機能に着目し、難治性肺疾患マウスモデルや肺がん細胞株を用い細胞形態変化を脂質の網羅的解析から検証し、細胞膜脂質の“質”の変化の分子機構を詳らかにすることで、新たな治療戦略につながる基盤研究を推進したい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、PNPLA6の細胞内における発現部位について検証を行った。昨年度の結果より、PNPLA6はendoplasmic reticulum (ER)よりもcrude mitochondriaに発現が高いという知見を得ていた。そこでHEK293細胞を用い、crude mitochondriaから、さらにpure mitochondria, mitochondria associated ER membrane (MAM)に分画し、western blotを行ったとところ、PNPLA6の発現はMAMに高いことがわかった。 そこで次に、HEK293 PNPLA6ノックアウト細胞を作成し、whole cell及び、crude mitochondriaを用いリピドミクス解析を行った。その結果、whole cellでは一部のホスファチジルコリン(PC), Lyso-PCの産生の増加が、ノックアウト細胞で認められていたが、crude Mitoを分画し解析を行うと、ほとんどのホスファチジルコリン(PC), Lyso-PCの分子種が野生型に比べノックアウト細胞では有意に増加していた。以上の結果より、PNPLA6はMAMに発現し、ミトコンドリア付近の細胞膜のリン脂質代謝を調節することによりがん細胞の性質に関与する可能性が示唆された。 次に各種がん細胞株を用いPNPLA6の発現を検証したところ、乳がん細胞株のうちTriple negativeであるMDA-MB231細胞、肺がん細胞株ではp53に変異を持つH157細胞やA549細胞で発現が高いことがわかった。PNPLA6のプロモーター領域上流に3ヶ所のAntioxidant responsive elementを持つことから、MDA-MB231、及びA549細胞でNrf2をsiRNAにてノックダウンするとPNPLA6の発現が一部低下することが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
PNPLA6の発現部位の同定や、細胞を分画してリピドミクス解析を行い、細胞膜への異常を見出すことができた。また、PNPLA6の遺伝子発現調節機構に関する知見を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
mitochondria associated ER membrane (MAM)を含んだcrude mitochondriaを持ちたリピドミクス解析より、PNPLA6ノックアウト細胞では、ミトコンドリア周辺の細胞膜環境が著しく変化していること、また細胞増殖の遅延が認められることから、ミトコンドリアの異常が細胞老化に着目し検証を行うことを目的とする。 具体的には、これまで作製したHEK293細胞、MDA-MB231細胞、H157細胞、A549細胞でPNPLA6ノックアウト細胞とnon target細胞を用いミトコンドリアに障害を与え老化を引き起こすことが知られている抗がん剤であるドキソルビシンを添加し細胞への影響について、細胞死、細胞増殖、各種老化マーカーを用いたウェスタンブロットをおこぬことにより検証する。 また、PNPLA6の変異は網膜変性疾患や神経疾患に関わることが報告されている。そこで、各種PNPLA6変異体を作製し、HEK293 PNPLA6ノックアウト細胞に遺伝子導入し、代謝への影響、細胞のフェノタイプへの影響について検証を行う。
|