Project/Area Number |
22K08286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
金澤 博 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90332957)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | COPD / small airway / emphysema |
Outline of Research at the Start |
COPDの成因に関連する特定の分子を標的とする薬剤の開発に着手するためには、未解明の状況であるCOPDの発症や進展に関する病態生理学的機序の検証が必須の課題である。今回、我々は、COPD発症の引き金とされる末梢気道病変とその後の病理学的変化である気腫性病変を個別に分離評価することが可能なバイオマーカーを同定し、さらに、その臨床応用を通して、COPDの疾患経過を詳細に解明することにより、未知の領域とされてきたCOPDの発症・進展機序を生化学的・生理学的視点から明らかにする。そして、COPDの進展阻止を目指した新規治療戦略を提示し、有望な分子標的薬の創出に向けての病態論を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度においても、末梢気道病変と気腫性病変を個別に評価することが可能なバイオマーカーを同定することを目的として研究を進めた。COPD発症前の長期喫煙者、COPD発症早期、及び中等症から重症COPD患者に対して、マイクロサンプリング法を用いてELF(気道上皮被覆液)を中枢気道と末梢気道から個別に採取し、COPDの末梢気道炎症に関与する分子群を定量化した。そして、これらの炎症関連分子群の発現量とCOPD患者の生理学的指標との関連性について検討を加えた。さらに、今回の研究に登録されたCOPD患者に対して、経過観察期間中の末梢気道病変から気腫性病変への進展という病理学的変化について明らかにした。次いで、COPD患者の重症度(肺機能、運動耐容能)の変化を追跡し、個々のCOPD患者の末梢気道病変と気腫性病変のCOPD重症度との関連性を検討した。また、sub-clinical COPD患者を対象にして、我々が同定した新規バイオマーカーのCOPDハイリスク群選別のバイオマーカーとしての有用性を検討した。令和5年度の研究成果により、未解明の状況であったCOPD発症の引き金とされる末梢気道病変を評価する基礎的データの集積が進みつつある。COPD発症の引き金とされる末梢気道病変とその後の病理学的変化である気腫性病変を個別に評価することが可能なバイオマーカーを同定すること、さらに、その臨床応用を通して、COPDの疾患経過を詳細に解明することにより、未知の領域とされてきたCOPDの発症・進展機序を生化学的・生理学的視点から明らかにするという研究目標の達成のための重要なデータが集積できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の施設は、大阪府下の呼吸器疾患診療の基幹病院として、新患・再診患者を含めて多数のCOPD患者の診療を行っており、個々の患者に対して、胸部HRCT検査・心肺運動負荷試験等を行い、詳細な患者データの集積してきた。このような豊富なCOPD診療経験を背景に、当研究課題の確実な遂行には、特に支障はないものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、COPDの発症予防・進展抑制効果を有する有望な薬物として、抗酸化作用・抗inflammasome作用を有する可能性が報告されている薬剤に関しても検討を行い、drug repositioningの観点から新規治療薬の探索を進める予定である。さらに、研究期間中継続して末梢気道病変、及び気腫性病変を個別に評価することが可能なバイオマーカーを経時的に測定することで、末梢気道病変から気腫性病変への進展を明らかにする予定である。
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