Project/Area Number |
22K08334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
森 克仁 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60382040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繪本 正憲 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90275248)
上殿 英記 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (90847435)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | MDSC / PEW / 感染症 / 血液透析 / 栄養障害 / 透析 |
Outline of Research at the Start |
腎臓病患者(特に透析患者)では筋肉・脂肪の減少するprotein-energy wasting (PEW)と呼ばれる特徴的な栄養障害が生じやすい。PEWでは感染症死を含む死亡が増加するが機序は不明である。癌の悪液質では重篤な栄養障害と同時に免疫機能低下も認められ、myeloid-derived suppressor cells (MDSC)という免疫細胞の関与が指摘されている。本研究では、透析患者では栄養障害(PEW)と免疫機能異常(MDSCが増加)が関係しているという仮説を検証する。さらに透析患者の観察研究において、栄養障害(PEW)、およびMDSC増加が、感染症入院や死亡を予測するかどうか、検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病患者、特に透析患者では、筋肉・脂肪が減少する特徴的な栄養障害であるprotein-energy wasting (PEW)が高頻度に認められる。PEWは感染症や心血管イベント発症と関連し総死亡の予測因子である。栄養障害と感染症の密接な関係は知られているが、その機序は不明である。近年、悪性腫瘍のcachexiaではmyeroid-derived suppressor cells (MDSC)の誘導・増加が関連し、免疫機能低下、慢性炎症、異化亢進に関与することが報告されている。 本研究の目的は、透析患者を対象に、PEW・栄養障害とMDSCの関連を横断的に、さらに観察コホートを構築し、PEW・栄養障害およびMDSCと、主に感染症入院をアウトカムとして縦断的に検証を行うことである。 現在、250名の透析患者のベースラインの臨床データを取得し、かつフローサイトメトリーにてMDSCの計測を実施した。今後、データ集積を継続しながら、geriatric nutritional risk index (GNRI)等で評価した栄養指標とMDSCの関連を横断的に検証する予定である。 透析患者では血管石灰化がしばしば認められる。血管石灰化は透析患者の予後予測因子であり、CKD-MBDとの関連はよく知られているが、栄養障害との関連は明らかではない。今回、本観察コホートと一部重なりのある血液透析患者を対象に、GNRIと大動脈石灰化の関連についても横断的に検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フローサイトメトリーによるMDSCの計測には技術的に大きな問題は生じなかったが、コロナウイルス蔓延により研究開始が大幅に遅れた。また、フローサイトメトリーでは採血当日の検体処理、計測が必須であり、当初は、早朝に透析開始の患者を対象としたため症例数が限定された。これに対して、検体計測に従事する人数も増員し、午前10時開始の透析患者も登録可能となり症例数が増加した。今後、栄養障害とMDSCの関連を検討する予定である。 また関連する研究として栄養障害とCTで定量した血管石灰化についても検討を行い、GNRIで評価した栄養障害と大動脈石灰化との有意な関連を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
課題であった症例数の確保に関しては、前年度の問題点を改善し、250例まで登録が進んだため、今後、GNRIを含む栄養障害とMDSCの関連を横断的に解析する予定である。 また、先行して栄養障害と血管石灰化について解析をすすめた。血管石灰化は透析患者の心血管イベントや総死亡リスクであることが知られている。特にリン、カルシウムなどCKD-MBDとの関連はよく知られているが、栄養障害との関連は明らかではない。今回、CTで大動脈石灰を定量的に評価しGNRIとの関連を検証したところ、GNRI低値(低栄養)と大動脈石灰化の重症度に有意な関連を認めた。栄養障害と石灰化の関連を示す新規性の高い結果であるため、今後、学会発表、論文化を目指す予定である。
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