Project/Area Number |
22K08351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53040:Nephrology-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森貞 直哉 神戸大学, 医学研究科, 客員准教授 (00389446)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 嚢胞腎 / 次世代シークエンサー / 嚢胞性腎疾患 / 遺伝性腎疾患 / ネフロン癆 / 遺伝カウンセリング / 慢性腎疾患 / 核酸医薬 |
Outline of Research at the Start |
嚢胞性腎疾患(PKD)は多彩な遺伝性腎疾患を包括した疾患概念である。これらは臨床経過も治療方針も異なるため診断の確定が重要であるが、極めて多彩な臨床像をとるため、臨床情報のみでの診断確定は困難である。本研究は次世代シークエンサー(ショートリード型およびロングリード型)やカスタムマイクロアレイ、RNAシークエンスなどの最先端の診断技術を駆使して、包括的小児嚢胞性腎疾患患者の遺伝学的診断体制を確立することを目的とする。さらに、診断確定による早期治療介入の有用性を明らかにし、特にADTKD-MUC1においては核酸医薬による新規治療法の開発をめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は全国の医療機関から常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)、常染色体潜性多発性嚢胞腎(ARPKD)などの多発性嚢胞腎や、常染色体顕性尿細管間質性腎疾患(ADTKD)、ネフロン癆、嚢胞腎を生じうる先天性尿路異常(CAKUT)など、83家系の遺伝子解析を施行した。方法は主にショートリード型次世代シークエンサー(NGS)でのパネル解析を用いた。その結果33家系で原因遺伝子を同定できた(39.8%)。内訳はPKD1(6家系)、PKD2(2家系)、PKHD1(3家系)といった主要な多発性嚢胞腎疾患の他、UMOD(4家系)、MUC1(2家系)のADTKD、HNF1B(4家系、17q1欠失1家系を含む)、PAX2(2家系)、GREB1L(2家系)のCAKUT、NPHP3, WDR19, ANKS6、CEP290(各1家系)のネフロン癆関連シリオパチーなどであった。PKHD1を原因とするARPKDと、PKD1、PKD2を原因とするADPKDは小児期には臨床的に混同されることがあり、網羅的パネル解析はその鑑別に有用であった。両者の鑑別は腎予後の推測、次子や次世代への再発率の推定に極めて重要である。 今回、ショートリード型NGSでも2例ADTKD-MUC1を診断することができたが、MUC1の遺伝子配列特性を考慮すると見逃し症例が多く存在することが予想される。当科ではロングリード型NGSによるMUC1変異の検出の他、ショートリード型NGSのデータ解析パイプラインの変更によるADTKD-MUC1の検出率向上に取り組んでいる。また尿中の変異蛋白の検出によるADTKDの簡易スクリーニングシステムの開発も開始しており、現在複数施設に規模を拡大して研究を遂行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国からの依頼検体の解析が順調に進行している。またADTKD-MUC1の検出率向上に向けた取り組みを行っており、おおむね順調と考えている。治療法の開発にはまだ取り組めておらず、次年度の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
ADTKD-MUC1を標的としたショートリード型NGSでのデータ解析プログラムの開発、尿中変異蛋白を用いたADTKDスクリーニングシステムの研究を進める。小児期の嚢胞腎の実態を明らかにするため、現在までのデータを整理して公開できるように準備を進めていく。
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