白斑での色素細胞再分布の時空間解析と治療への応用研究
Project/Area Number |
22K08409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
片山 一朗 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (80191980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊 伶俐 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (40711784)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 酸化ストレス / メラノサイトニッチ / 細胞接着 / GPNMB / メラノサイト遊走因子 / 白斑 / 表皮メラノサイト / ニッチ |
Outline of Research at the Start |
表皮基底層において、メラノサイトが定着し、ケラチノサイト(Basal keratinocyte)と共存する部位をニッチ(仮称)と規定し、①表基底層でのニッチの証明と白斑部でのその消失に関わる制御機構の解明②白斑病変部でのニッチへのメラノサイトの再分布に関わる表皮ケラチノサイト(あるいは他の皮膚構成細胞)からのメラノサイト由来遊走因子の同定とex vivoでの動態解析③化学物質(ロドデンドロールを使用する)誘発性新規白斑モデルモルモットを用いた治療法の評価システムの構築とニッチの回復を標的とした経皮膚的治療薬の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は引き続き、基底層ケラチノサイトで発現する細胞膜蛋白の発現に関して白斑部で発現低下を示す構造 蛋白のスクリーニングを行い、メラノサイトマーカー(GPNMB、E-cadherin)、基底膜蛋白(Col17A1, Laminin V, β4-Integrin)などの免疫染色を行い、メラノサ イトマーカーであるGPNMBが基底層ケラチノサイトにも存在し、IFNγがJAK2依存性に白斑部で消失している可能性を見いだした(Sci Rep.10:1-11,2020)。この蛋白をsiRNAにてノックダウンした培養ヒトケラチノサイトはSCFの発現を増強したしたことより、メラノサイトの皮膚への遊走、ニッチへの再定着にSCFが代償性 に寄与する可能性が考えられた。我々は白斑病変部において肥満細胞 の増加を確認しており(J Dermatol Sci.99:140-143,2020)、肥満細胞由来のヒスタミンはメラノサイトのメラニン産生を増強することにより、白斑部での病理学的な変化を説明できたと考える(Exploration of Immunology.2021)。我々は低容量の紫外線照射でも治療効果が得られ、その機序としてケラチノサイトからのメラノサイト増殖に関わるSCFやET-1などの産生増強によることを明らかにした。(Int. J. Mol. Sci. 2021)。今後この系を用いて、メラノサイト遊走因子の解析を行う予定である。またSCFは真皮線維芽細胞からも産生されるが、白斑部線維芽細胞で、コラーゲンの合成とその分解酵素であるMMP2の発現が亢進していることも見いだし、従来考えられていた以上に表皮、真皮そして免疫システムのクロストークが重要な疾患であることを明らかにすること ができ、今後の白斑治療の開発に繋がると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は表皮基底層において、メラノサイトが定着し、ケラチノサイト(Basal keratinocyte)と共存する部位をニッチ(仮称)と規定し、①表基底層でのニッチの証明と白斑部でのその消失に関わる制御機構の解明②白斑病変部でのニッチへのメラノサイトの再分布に関わる表皮ケラチノサイト(あるいは他の皮膚構成細胞)からのメラノサイト由来遊走因子の同定とex vivoでの動態解析③化学物質(ロドデンドロールを使用する)誘発性新規白斑モデルモルモットを用いた治療法の評価システムの構築とニッチの回復を標的とした経皮膚的治療薬の開発を目指すことと設定している。すでに表皮基底層でのGPNMBなどの消失がニッチ消失に関わることを明らかにできたが、さらに線維芽細胞由来のMMP2が基底膜構造を変化さすことでメラノサイトの消失に関わることを明らかにした(Preprint repor.2023、①表基底層でのニッチの証明と白斑部), (Exploration of Immunology.2021)。日常診療において白斑治療に頻用される308nmの短波長紫外線療法は従来照射エネルギーに比例して治療効果が得られると考えられてきたが、我々は低容量の紫外線照射でも治療効果が得られ、その機序としてケラチノサイトからのメラノサイト増殖に関わるSCFやET-1などの産生増強によることを明らかにした。(Int. J. Mol. Sci. 2021)。今後この系を用いて、メラノサイト遊走因子の解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
白斑病変部でのニッチへのメラノサイトの再分布に関わる表皮ケラチノサイト(あるいは他の皮膚構成細胞)からのメラノサイト由来遊走因子の同定とex vivoでの動態解析 研究を本年度は進める予定である。現在構築できた308nmの短波長紫外線照射ケラチノサイトからのメラノサイト増殖に関わるSCFやET-1などの産生増強の実験系(Int. J. Mol. Sci. 2021)。を用いて、メラノサイト遊走因子の解析を行う予定である。また本研究の最終的な目標である化学物質(ロドデンドロールを使用する)誘発性新規白斑モデルモルモットを用いた治療法の評価システムの構築とニッチの回復を標的とした経皮膚的治療薬の開発は、黒モルモットにロドデンドロールを長期塗布することで作成した白斑モデルが確立でき(2023、5月、国際研究皮膚科学会で発表予定)、この実験系を用いて、メラノサイトの消失機序の解明とその回復に関わる治療の探索を推進していく予定である。また日常診療において重要な白斑の治療効果を評価できるバイオマーカーの検索も合わせて行っていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Cell surface-expressed Ro52/IgG/HLA-DR complex is targeted by autoantibodies in patients with inflammatory myopathies.2022
Author(s)
[Noriko Arase,Hideaki Tsuji,Hyota Takamatsu,Hui Jin,Hachiro Konaka,Yasuhito Hamaguchi,Kyoko Tonomura,Yorihisa Kotobuki,Ikuko Ueda-Hayakawa,Sumiko Matsuoka,Toru Hirano,Hideki Yorifuji,Hiroyuki Murota,Koichiro Ohmura,Ran Nakashima,Tomoharu Sato,Atsushi Kumanogoh,Ichiro Katayama,Hisashi Arase,Manabu Fujimoto]
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Journal Title
Journal of autoimmunity
Volume: 126
Pages: 102774-102774
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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