円形脱毛症患者とモデルマウスを用いたサブタイプ別診断と治療法開発
Project/Area Number |
22K08413
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 志斈 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (40193198)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 円形脱毛症 / CCHCR1 / モデルマウス / ステロイド / コレステロール / 疾患遺伝子バリアント / 治療反応性 / アミノ酸置換を伴うバリアント / マウスモデル / 治療法 |
Outline of Research at the Start |
円形脱毛症(AA)は強い家族内遺伝を示す多因子性疾患であるが、近年までその原因は明らかにされていなかった。近年筆者らは、AAの疾患感受性遺伝子CCHCR1をゲノム解析で同定し、ゲノム編集によりマウスモデルを再現できた。 本研究では、本variantを持つAA患者と持たないAA患者を同定し、その臨床症状の差異につき検討する。またこの二つの患者群における各種治療法の反応性について検討する。それにより、AAのサブタイプ別診断とサブタイプ別治療法の開発を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
CCHCR1KOマウスにストレスで誘導した円形脱毛症モデルマウスに対して、組織変化を確認した。昨年までに、CCHCR1バリアントを持つAA患者の臨床的特徴として、バリアントがないAA患者群と比較して、バリアント群ではステロイド治療へ反応性が優位に良好である一方、再発率が高いという特徴を見出した。過去の報告でCCHCR1遺伝子はステロイド骨格に影響を与える可能性があることが報告されているので、われわれのモデルマウスにおいても同様の結果が得られるか、検索を行った。具体的には、CCHCR1KOマウスの皮膚において、ステロイドホルモンの生成に重要なCYP11A1およびミトコンドリア膜におけるステロイドの輸送に重要な役割を果たすStAR、コレステロール代謝を制御しているABCA1に関して免疫染色を施行した。その結果、CYP11A1・StAR・ABCA1のいずれもCCHCR1KOマウスにおいてWILDマウスと比較し有意に発現の低下がみられた。 この結果は、CCHCR1KOマウスの皮膚においてはステロイド生成と輸送の機能低下があり、代謝機能も落ちていることが示唆された。すなわち、細胞内のコレステロールの欠如が、特にストレス下で毛幹の形態に影響を与えたり、ステロイドホルモンの合成を妨害したりする可能性があることを示唆していると考えられた。 さらにストレスを与えたCCHCR1KOマウスの皮膚においては毛包の数が減少していたほか、毛包周囲においてはIFN-γの発現の上昇が確認された。一般にAAの皮膚でみられるIL-15の発現は、CCHCR1Koマウスの皮膚においてはWILDマウスの皮膚と比較し有意な差はみられなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CCHCR1ゲノム編集を用いた実験は、想定通りに進まなかったが、CCHCR1KOマウスを用いた組織検索は順調に進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
ステロイドホルモン合成障害はホメオスタシスの不均衡に影響を与える可能性があり、これが多因子疾患である円形脱毛症の発症の一因となっている可能性が考えられる。 今後は、不飽和脂肪酸含有の食餌で飼育したCCHCR1KOマウスにおける円形脱毛症発症抑制効果や皮膚における免疫学的変化を評価していく予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)