Project/Area Number |
22K08436
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
鶴田 大輔 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90382043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣保 翔 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10571284)
廣保 葵 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (20899603)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | NETosis / 類天疱瘡疾患 / 後天性表皮水疱症 / 搔破 / 類天疱瘡 |
Outline of Research at the Start |
類天疱瘡疾患は体幹四肢に生じる紅斑・水疱とそれに伴う強いかゆみを特徴とする自己免疫性水疱症である。これまでの報告から、類天疱瘡疾患では、掻破や擦過などの物理的刺激が水疱形成を誘導している可能性が示唆される。しかしながら、掻破が類天疱瘡の水疱形成を誘導する詳しい機序を解明した報告はこれまでにない。そこで今回、掻破が表皮ケラチノサイトからストレス応答分子の放出を引き起こし、それらストレス誘導性分子が、類天疱瘡疾患の無疹部ですでに浸潤している好中球を刺激しNETosisを引き起こし、効率的な水疱形成を引き起こすと仮説を立て、それを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
類天疱瘡疾患では掻破などの物理的刺激が水疱形成を誘導する可能性が示唆されるが、その機序は明らかではない。我々は、皮膚への物理的刺激により表皮ケラチノサイトがストレス応答分子を放出し、放出されたストレス応答分子が局所の好中球を活性化しNETosisを引き起こすことで水疱形成を誘導すると仮説を立て、ex vivoモデル、マウスモデル、患者標本を用いて、以下の3課題に分けて検証する。 課題1 掻破が類天疱瘡疾患マウスの水疱形成を引き起こすかの解析 課題2 類天疱瘡の水疱形成に関するNETosisの役割解明 課題3 類天疱瘡患者水疱部と非水疱部の比較 2022度までに免疫組織化学で患者皮疹部のNETosisの存在を確認し(課題3)、課題1,2で用いる病原性抗マウスコラーゲンVII(COL7)抗体を用いて後天性表皮水疱症マウスモデルを再現した。2023年度はマウスモデルへNETosis阻害剤であるDNase1を投与し、マウスの皮疹面積と組織病理学的な好中球浸潤および水疱スコアが減少することを確認した(課題2)。また、培養ヒト表皮ケラチノサイトを健常ヒト末梢血中の好中球から誘導したNETsで刺激したところ、ELISA法を用いて培養上清でのIL-8量の増加、およびウエスタンブロット法を用いて細胞ライセートでの真皮表皮接合部タンパク質であるコラーゲンXVII(COL17)の減少を確認した(課題2)。また真皮ファイブロブラストに対しても、同様のNETs刺激でIL-8量が増加することを確認した。以上より、真皮表皮接合部における水疱形成機序へNETosisが関与する可能性を示した(課題2)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もともと2022年と2023年で課題1の掻破が類天疱瘡疾患マウスの水疱形成を引き起こすかの解析を行う予定であったが、予定を変更し、2023年度に、本研究のメインとなる実験の一つである、課題2の、後天性表皮水疱症マウスモデルでのNETosis阻害実験、及びケラチノサイトとファイブロブラストに対するNETs刺激実験を行った。課題2に関しては、2024年度に、NETosis刺激でCOL17以外の真皮表皮接合部タンパクが減弱するかを、特にファイブロブラストにおいて確認する予定である。DNase1投与による水疱スコアの減少やNETosis刺激による表皮ケラチノサイトのBP180タンパク質の減少という結果は、当初の仮説通り類天疱瘡疾患におけるNETosisによる効率的な水疱形成を裏付ける結果となっている。加えて、NETosisによる皮膚組織からのIL-8産生および好中球浸潤の誘導の可能性も示した。一方、課題1に関しては予定を変更して後述のように2024年度に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、課題2に関しては、まずケラチノサイトとファイブロブラストに対するNETs刺激実験を追加し、COL17以外のラミニン332、COL7、インテグリンアルファ6ベータ4等の真皮表皮接合部タンパクが減弱するかをウエスタンブロットで確認する。また、マウス皮膚組織をNETosisマーカーとラミニン332で二重染色することで、後天性表皮水疱症マウスにおけるNETosisのメインの局在が表皮側なのか真皮側なのかを確認する。 次に課題1に関して、掻破がNETosis誘導を引き起こすかを後天性表皮水疱症マウスモデルで検証する。まず、エリザベスカラーを後天性表皮水疱症モデルマウスに装着し、皮疹面積、組織病理学的水疱スコア、好中球浸潤を対照群と比較する。次に、皮膚掻破によるNETosis誘導が、表皮ケラチノサイトからのATP放出によるものかを評価するため、マウスモデルにATP阻害薬を投与して、皮疹面積、組織病理学的水疱スコア、好中球浸潤が減少するかを評価する。
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