Project/Area Number |
22K08473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中尾 眞二 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70217660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 晃平 金沢大学, 附属病院, 助教 (10786239)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 発作性夜間ヘモグロビン尿症 / HLA-DR15 / CD4陽性T細胞 / T細胞レセプター / 自己抗原 |
Outline of Research at the Start |
特発性再生不良性貧血(AA)患者のうち、HLA-DRB1*15:01陽性例は、造血能がシクロスポリン依存性になりやすく、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に移行する頻度が高いことが知られているが、このHLAアレルがAAやPNHの発症にどのように関与するのかは不明である。本研究では、HLA-DR15を欠失した患者のiPS細胞由来造血幹前駆細胞(iPSC-HSPC)と同じ患者の野生型iPSC-HSPCを利用して、HLA-DR15が提示する自己抗原特異的T細胞のレセプター(TCR)を決定し、このTCRのトランスフェクタントを利用して、自己抗原を同定すると共に、PNHクローンの拡大機序を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
免疫病態による造血不全において、GPIアンカー膜蛋白欠失(GPI[-])造血幹前駆細胞(PNH型HSPC)がクローン性に増殖するメカニズムを明らかにするため、以下の三つの検討を行った。 1.PEで標識した抗CD55抗体と抗CD59抗体と、抗PE抗体でラベルされた磁気ビーズを用いてGPI(-)顆粒球を濃縮することにより検出されるminiscule PNH型顆粒球(miniPNH-G)が、0.003%以上の微少PNH顆粒球が検出されない造血不全例においてどの程度検出されるかを検討した。その結果、miniPNH-Gは微少PNH型血球陰性例の約30%で検出され、全例が免疫抑制療法抵抗性であり、HLAクラスIアレル欠失血球は検出されなかった。現在、体細胞遺伝子変異との関係を検討している。 2.HLA-DRB1*15:01陽性再生不良性貧血では、HLA-DR15が提示する自己抗原特異的なCD4陽性細胞がHSPCを傷害し、PNH型HSPCはGPI膜蛋白を欠失させることによってその攻撃を免れていると考えられる。HLA-DRB1*15:01陽性例の中でも、CD4陽性T細胞によるHSPCの攻撃が特に強いと考えられる再生不良性貧血症例の血清中に、HLA-DR15が提示するミスフォールド蛋白に対する自己抗体が存在するか否かを、大阪大学荒瀬尚博士との共同研究により検討した。 3.第6染色体短腕の片親性ダイソミーによりHLA-DR15を欠失したiPS細胞および野生型のiPS細胞のそれぞれに由来するHSPCを標的として、自己のHSPCを特異的に傷害するCD4陽性T細胞を同定するため、凍結保存したiPS細胞からのHSPC誘導を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miniPNH-Gの検出方法を確立し、それらが単一または少数のPIGA変異HSPC由来でることを明らかにした。また、miniPNH-Gの存在が、免疫病態が関与しない造血不全のマーカーになり得ることを明らかにした。PNH型HSPCのエスケープ機構を明らかにするためには、CD4陽性T細胞が認識する自己抗原の同定が不可欠であるが、その端緒となり得る再生不良性貧血症例を同定し、荒瀬博士との共同研究を進めることができた。一方、iPS細胞由来のHSPCを用いた培養実験は、以前用いていたiPS細胞クローンの増殖が不良であったため進行が遅れている。現在、別のiPS細胞クローンを用いてHSPCの誘導を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.miniPNH-Gが検出される免疫抑制療法不応の再生不良性貧血症例は、何らかの造血幹細胞異常による造血不全である可能性が高いため、これらの症例の白血球を対象として全ゲノムシーケンシングを行うことにより、遺伝性または獲得性の遺伝子変異を同定する。 2.miniPNH-GがHSPC由来であることを証明するため、多くの例で同時に検出されるminiscule PNH型T細胞との間で共通のPIGA変異が見られるか否かを次世代シーケンシングにより明らかにする。 3.HLA-DR15に結合するミスフォールド自己抗原が同定された場合には、その抗原におけるCD4陽性細胞エピトープを同定し、HLA-DR15-ペプチドテトラマーを作製する。これを用いてHLA-DRB1*15:01陽性再生不良性貧血の末梢血CD4陽性T細胞をスクリーニングする。 4.再生不良性貧血患者から樹立したiPS細胞からDR15欠失および非欠失のHSPCを誘導し、非欠失HSPCを選択的に傷害するCD4陽性T細胞を同定する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)