Project/Area Number |
22K08496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54010:Hematology and medical oncology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎本 豊 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任准教授 (20608210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 俊雄 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 名誉教授 (20282527)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 造血器腫瘍 / 抗腫瘍免疫 / 白血病 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、抗腫瘍免疫の活性化に関わる経路や分子を新たに発見し、AML薬剤治療の成績の向上に結びつけることを目的とする。これまでの解析で、薬剤投与により、NK細胞やT細胞を活性化する受容体の発現が白血病細胞上で上昇する現象を見出している。 また、NK細胞がAML細胞と接触する際に、AML細胞上のPD-L1の発現調節をつかさどる分子機構を調べる。そして、PD-L1の発現調節分子を標的にすることで、抗腫瘍免疫のさらなる活性化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
急性骨髄性白血病(AML)は、依然として治療が難しい難治性の造血器腫瘍である。骨髄移植療法により治療成績は上がったが、患者の負担が大きく、高齢者の患者には適応できない例が多い。そこで薬剤治療が鍵となるが、再発率が高く、再発してしまうと予後が悪い。そこで、薬剤治療の成績に影響を与えている因子を特定して、その因子を活性化あるいは抑制することで、予後を改善する新たな方法を確立することが、非常に重要となる。 AML患者において、PD-L1などの免疫チェックポイント分子の発現が高い患者では、予後が悪いことが報告されている。つまり、AMLの治療成績に抗腫瘍免疫が関与していることが想定される。しかし、薬剤治療を進めていく上で、AML細胞が発現しているどのような分子が抗腫瘍免疫の活性化と抑制のバランスを制御しているのか、詳細はよくわかっていない。 本研究では、AML薬剤治療に影響を与える免疫制御機構を解明することを目的とし、薬剤治療による治療成績の改善を目指すものである。これまでに、臨床で用いられている複数の薬剤を用いてAML細胞への影響を解析したところ、抗腫瘍免疫の活性化と抑制のバランスを制御しているいくつかの細胞表面分子の発現が変動することを見出している。その中でも特に変動が大きかった分子は免疫チェックポイント分子の一つと考えられており、実際に薬剤刺激を行なった細胞では、NK細胞による細胞傷害活性が抑制されることも見出している。さらには、この分子をKOすると、NK細胞による細胞傷害活性が上昇することを見出している。今後は薬剤刺激により細胞表面分子の発現が変動する分子メカニズムの解析、及び発現変動した分子を標的とした治療の効果を解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床で用いられている複数の薬剤を用いてAML細胞への影響を解析し、抗腫瘍免疫の活性化と抑制のバランスを制御しているいくつかの細胞表面分子の発現が変動することをすでに見出している。その中でも特に変動が大きかった分子は免疫チェックポイント分子の一つと考えられており、この分子の発現が高い患者では 予後が悪いという臨床報告とも合致している。また薬剤刺激を行なった細胞では、NK細胞による細胞傷害活性が抑制されることもすでに見出している。さらには、この分子をKOすると、NK細胞による細胞傷害活性が上昇することを見出している。このように、重要な分子を見出し、さらにはその分子が抗腫瘍免疫を抑制していることまでは解明しており、研究課題の進捗状況についてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析で、臨床で用いられている複数の薬剤により抗腫瘍免疫の活性化と抑制のバランスを制御しているいくつかの細胞表面分子の発現が変動することをすでに見出している。また、薬剤刺激を行なった細胞では、NK細胞による細胞傷害活性が抑制されることもすでに見出している。さらには、発現変動が大きかった分子をKOすると、NK細胞による細胞傷害活性が上昇することを見出している。今後は薬剤刺激により細胞表面分子の発現が変動する分子メカニズムの解析、及び発現変動した分子を標的とした治療の効果を解析していく予定である。具体的な方策としては、発現変動した遺伝子のmRNAの定量、その遺伝子の発現を制御する転写因子の解析およびエピジェネティクス解析を行う。また、その遺伝子自身や発現制御に関わる転写因子やエピジェネティクス制御因子をKOしたり過剰発現させたり、阻害剤を用いて抗腫瘍免疫への影響を解析する。また、 臨床への応用を見据えて抗体治療の検討を行う。
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