Project/Area Number |
22K08555
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54020:Connective tissue disease and allergy-related
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80233807)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 滑膜線維芽細胞 / 関節リウマチ / 上皮間葉移行様変化 / 分子標的治療 / layilin / Layilin / EMT |
Outline of Research at the Start |
関節リウマチ(RA)は、関節滑膜細胞が増殖し、そこに炎症細胞が浸潤する関節炎で、抗TNF-α療法が奏功する。近年、RA 滑膜細胞の上皮間葉移行(EMT)様変化が報告されている。 一方、Layilin は機能未確定であるが、滑膜・軟骨細胞で発現すること、TNF-αにより発現が増強すること、TNF-α誘導性のEMTに必須であること、EMTのマスター分子Snailを増強すること、および、ミトコンドリア動態を細胞浸潤促進関連型に変えることを見出している。我々は「 Layilinを介したTNF-α誘導性のEMT様変化がRA滑膜細胞の異常増殖の本態である」との仮説を立て、本研究では、この仮説を実証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
我々は「Layilinを介したTNF-α誘導性上皮間葉移行(EMT)様変化がRA滑膜細胞の異常増殖の本態である」との仮説を立てた。本研究ではLayilinノックアウト(-KO)細胞及びヒト滑膜細胞等やLayilinノックイン(-KI)マウスを用いて本仮説を実証することを目指し、Layilinを標的としたRA滑膜増殖抑制治療法の開発につなげたい。 これまでにライリンが複数の細胞株で細胞増殖を促進することを見出した(未発表)。また、layilinが細胞周期進行の主要因子の1つであるサイクリン依存性キナーゼ1(CDK1)の活性化に寄与することを報告した。CDK1はCdc25CとWee1によりそれぞれ活性化、不活性化されるが、Cdc25Cは野生型(WT)と比してlayilin-KO細胞の方が有意に少なかった。Wee1では有意な差は見られなかった。シクロヘキシミド(CHX)チェイスにより、WTと比べてlayilin-KO細胞の方がCdc25Cの分解が亢進していることが示された(未発表)。さらにプロテアソーム阻害剤MG132やオートファジー阻害剤Baf-A1を加えてもlayilin-KO細胞で見られたCdc25Cの分解亢進を抑制しなかった。layilinが抑制するCdc25Cの分解経路に関しては、layilinはユビキチン-プロテアソーム系とリソソーム-オートファジー系を介したCdc25Cの分解には関与しないことが示された。今後はライリンが細胞増殖に寄与する機序を明らかにすべく、Cdc25C分解の機序を模索していく。また、滑膜細胞株についても同様の機序があると考えられ検討する。 In vivoの実験では、CRISPR/Cas9法を用いたLayilin-KIマウス(F0)を作製に成功したことを確認した。現在、凍結胚にして保存している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Layilin依存性上皮間葉移行(EMT)様変化の観点から、Layilinの機能探索をin vitro及びin vivoの両面から検討した。In vitroに関しては、Layilinが細胞増殖に関与していることを明らかにし、CDK1さらにはcdc25cの調節機序の解明を進めている。加えて、Layilinのアポトーシスへの関与も見出し、解析を進めている。In vivoに関してはLayilin-KIマウスの作製(F0)の作製に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、Layilin-KO細胞及びヒト滑膜細胞等やLayilin-KIマウスを用いて、in vitro及びin vivoの両アプローチにより、「Layilinを介したTNF-α誘導性のEMT様変化がRA滑膜細胞の異常増殖の本態である」との仮説を実証する。 In vitroでは、以下の点について明らかにする。1)LayilinによるCDK1活性化を介した細胞増殖の機序を明らかにすると共に、主にヒト滑膜線維芽細胞・ヒト滑膜線維芽細胞株などでも同様であることを証明する。2)TNF-α以外に滑膜細胞にLayilin依存性 EMT 様変化を起こす分子があるかを明らかにする。3)Layilinの上下流に位置する分子を明らかにする。4)Layilinを標的として滑膜細胞の増殖能・浸潤能を抑制することが可能であるか否かを明らかにする。5)TNF-α誘導性EMT様変化後で滑膜細胞の増殖能・浸潤能が増加するか否かを明らかにする。6)Layilinを抑制しうる分子、あるいはLayilin 経路を遮断できる分子を探索する。 In vivoでは下記の点について、Layilin-KIマウスを用いて明らかにする。7)Layilin-KIマウスを作製し、形態学的特徴・生化学的特徴を検討する。8)Layilin-KIマウスを用いたコラーゲン誘導性関節炎モデルの解析により、関節炎におけるLayilinの役割を明らか にする。9)Layilin-KIマウスと野生型マウスとでの、臓器・細胞における発現タンパク質の差異をプロテオミクス解析により明らかにする。10)Layilin-KIマウスのリンパ球等の増殖能、サイトカイン・抗体等の産生能を明らかにする。 以上の過程で、知的財産に相当するものは所属大学のTLO(株式会社MPO)を通して特許出願を行う。また、成果を論文としてまとめ、国際的学術雑誌に投稿する。
|