Project/Area Number |
22K08560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54020:Connective tissue disease and allergy-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 暢聡 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40361703)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | X線結晶構造解析 / B細胞 / 自己免疫疾患 / 蛋白質間相互作用 |
Outline of Research at the Start |
Bリンパ球に特異的に発現する膜タンパク質CD72は、共受容体としてB 細胞の抗原受容体のシグナルを負に制御する抑制因子であり、全身性エリテマトーデス(SLE)の抑制に関与していると考えられている。しかしながら、具体的にCD72がいかにSm/RNPなどの自己抗原を認識するかは不明であり、本研究はその分子認識機構を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、B細胞の抑制性共受容体であるCD72とリガンドとの相互作用の解明を目的としており、計画2年度目である本年度は、以下のような研究を行った。 これまでに我々は、マウス由来CD72リガンド結合ドメイン(CTLD)の結晶構造を報告しているが、初年度である昨年度はヒトのCD72のCTLDの構造解析にも成功した。一方で、このヒトCD72-CTLDは、ヒト固有の長いループ領域を欠失(短絡)させたコンストラクトを用いたものであった。並行して行われた溶液中でのリガンドとの相互作用解析から、このループ領域が結合に副次的に影響している可能性が示唆されたため、今年度はループ領域を含めた野生型のコンストラクトによるヒトCD72-CTLDの構造解析を進めた。その結果、X線結晶解析によって高解像度の立体構造を決定することができた。今回の構造においては、リガンド結合部位と想定される部分に、マウスCD72-CTLDの場合のような正電荷の集積は見られなかった。これがCD72のリガンドである自己抗原分子Sm/RNPとCD72との相互作用にどのように影響しているか興味深い。 また、共同研究を通して、CD72の新たな生理的リガンドの候補分子が複数同定された。これらはいずれもSm/RNPと同様、複数の蛋白質分子からなる大きな複合体であり、かつ自己抗原となる得るので疾患との関連が示唆される。CD72-CTLDのような比較的小さな蛋白質が、異なる複数の蛋白質複合体をどのようにして認識しているのか、今後の研究の焦点となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで明らかになっていなかった、ループ領域を含むヒトのCD72-CTLDの結晶構造を明らかにすることができた。また、クライオ電顕による実験も開始できたため、上記のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、CD72リガンド結合ドメインとSm/RNPの複合体構造解析を進める。また、そのために複合体の安定化をはかる方法も検討する。また、上述した、新たに同定されたSm/RNP以外の生理的リガンド候補についても、可能な限り複合体の解析を進める予定である。
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