Intrahepatocellular organelle abnormalities and occult HCV that remain long-term after HCV elimination
Project/Area Number |
22K08587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
坪田 昭人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90322643)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / C型慢性肝炎 / SVR / occult hepatitis C virus / 肝細胞内微細構造 / 肝細胞内オルガネラ / ウイルス学的持続陰性 / 潜在性C型肝炎ウイルス |
Outline of Research at the Start |
治療の進歩によりSVRが高率になった反面、高齢者や病期進行例を中心にSVR後の肝発癌が問題化して久しい。研究代表者は生検組織の電顕解析からSVR後も肝細胞内微細構造・オルガネラの異常が長期に残存していることを明らかにした。SVR後も肝細胞は何らかのストレスに曝されている可能性がある。本研究では、電顕解析と感染実験により①長期に残存する肝細胞内構造異常の特徴的電顕像とその本体;②occult HCVの存在、特徴と意義;③次世代シーケンス解析による構造異常や病態に関連するゲノム/分子と肝発癌との関連性を明らかにする。これらの解明はSVR後における肝発癌予測・予防やC型肝炎の“真の治癒”の再考につながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
直接作用型抗ウイルス薬の出現によりC型肝炎ウイルス(HCV)の持続的な血清陰性化率(sustained virological response; SVR)はほぼ100%近くになった。一方、高齢患者や病期進行患者を中心にHCV排除(SVR)後の肝発癌が問題化して久しい。また今なおC型肝炎は世界的に肝不全・肝癌の主要な原因である。我々は生検組織の電顕解析からSVR後も肝細胞内微細構造・オルガネラの異常が長期に残存していることを明らかにしてきた。この事実より、我々はSVR後も肝細胞は何らかのストレスに曝されている可能性を提起してきた。 蓄積されてきた電顕所見では、線維化が改善されたSVR後においても肝細胞内微細構造・オルガネラの異常が長期(10年以上)に残存しており、特徴的な異常像を呈していた。特に小胞体異常の頻度と程度はSVR後の肝発癌患者において関連性を示していた(投稿中)。 SVR患者の肝生検組織に対して超高感度RT-PCR法による潜在性HCV(occult HCV)の存在を検証したところ、3名に肝組織内HCVを検出した。そのoccult HCVの全塩基配列を解析中であるが、現時点で断片的に決定された塩基配列に特徴的な変異を認めていない。またこの3名は現時点で肝発癌や肝炎の再燃はない(論文準備中)。 次世代シーケンス解析による構造異常や病態(特に肝発癌)に関連するゲノムDNA/RNA分子の同定も進めている。SVR後の肝発癌に関連する高発現遺伝子群は明らかになりつつあるが、現時点で肝細胞内微細構造・オルガネラ異常に関連する遺伝子の同定までには至っていない。これらの解析を継続してSVR後における肝発癌の予測・予防や慢性感染症における「真の治癒とは!」の再考につなげたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SVR/非SVRの肝発癌/非発癌症例や他の慢性肝疾患症例(脂肪性肝疾患や自己免疫性肝炎など) からの肝生検組織・肝切除組織を、電顕用とゲノム解析用に集めている。継続的な電顕解析によりSVR後の電顕像も徐々に明らかになり、その再現性と妥当性を検証している。 SVR後の肝組織内に存在するoccult HCVは確認されている。全塩基配列も含めた解析を進めているが、肝組織内HCV RNAが微量であることやHCV RNA 3’末端がpoly-Uであることなどから、技術的な困難に直面している。次世代シーケンス解析は、当施設内で受託業務を日常的に、また共同研究(AMED)では協同で他施設でも行ってきた。解析対象の集積やデータ解析には時間と労力が必要であるが、現在安定的に稼働している。 以上より、研究全体を通して「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
SVR後に肝組織内の炎症が消失、あるいは著明に改善し、かつ線維化が改善されても、肝細胞内微細構造・オルガネラの異常が長期に残存することが明らかになった。この異常な電顕像の本体は何かを解明していく。それには長期経過も含めた、さらに詳細な臨床プロファイルと半定量化した電顕異常所見のより定量的な測定法の確立、および次世代シーケンス解析による構造異常や病態と関連するゲノムDNA/RNA分子の同定を進めていく。 Occult HCVについては、全塩基配列を決定するとともに、陽性患者群における臨床的意義を明らかにする。またoccult HCVの肝組織内における存在形態を免疫電顕も含めた解析により明らかにしていく。特にdouble membrane vesicleとの関連性についてSVR後の病態も含めて検討していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(17 results)