Project/Area Number |
22K08588
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
越野 一朗 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80328377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 史雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10262023)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マラリア原虫 / 赤血球 / セマフォリン |
Outline of Research at the Start |
マラリアに未だ有効な予防・治療法が存在しないのは原虫の耐性獲得が原因であり、したがって原虫を標的とする従来の戦略からの方向転換が求められている。 我々の予備実験結果は、宿主赤血球がもともと持っているセマフォリン7Aタンパク質(S7A)がマラリアの病原性に重要な役割を担っている可能性を強く示唆している。マラリアの病態におけるS7Aの役割と、S7Aの機能を抑制することによって病原性の軽減が可能であるかを検証し、耐性発現による無効化の恐れがない宿主細胞を標的とした新たなマラリア対策の方向性を提案することが本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
マラリアは毎年2億人が感染し40万人を死に至らしめる世界最大の感染症のひとつであり、精力的な撲滅の取組みが世界規模で展開されているが、未だ有効な予防法・治療法が確立されていない。その要因は、高頻度の遺伝子変異による耐性マラリア原虫の出現である。マラリアに対する新規の防御対策へのアプローチとして、本研究では遺伝子変異によって引き起こされる耐性発現の恐れのない宿主赤血球をターゲットとしている。特に我々の予備実験の結果から、マラリア原虫の感染ならびに病原性の発現に重要な役割を果たしている可能性が示唆されている、赤血球膜タンパク質セマフォリン7Aに焦点を当てて検討を行っている。 セマフォリン7A(S7A)ノックアウトマウスを用い、マウスマラリア原虫(Plasmodium berghei, NK65株)感染における感染赤血球率の経時変化について、野生型マウスと比較してS7Aノックアウトマウスの方が感染率が高いという予備実験の再現性を検証している。週齢、性差、体重による接種量の補正等が結果に影響することが分かってきたので、最適化を行うと同時に、in vitro培養系での検証についても準備を始めている。またマラリア感染赤血球の臓器への接着・蓄積(cytoadherence)について検討するための病理組織学的解析の準備を進めている。 2022年度は、新型コロナウイルス感染症対策のために、講義・実習・入試の特別な準備が必要であったため、計画通りに研究を進めることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」で既述の通り、新型コロナウイルス感染対策のために、 ・入学試験問題(「化学」の作問を担当している)を2回分作成する必要があった ・密になることを避けるには学生全員を同時に実習室に収容することができず、2つのグループに分けて別々に実施する必要があったため、準備と実施に相応の 時間が必要であった ・今年度の講義は対面とリモート(配信)とが混在する実施方法であったため、それぞれの講義方法に合わせて講義資料やスライドを修正する必要があった 等の対応のために勤務かなりの時間を割かれ、計画通りに研究を遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型ならびにS7Aノックアウトの感染率の違いに関する再現性を確認するとともに、病理学的解析によりマラリア感染赤血球の臓器へのcytoadherenceと、組換えS7Aタンパク質や抗S7A抗体の投与によるcytoadherenceへの影響を検証する。これと同時に、in vivo実験系の場合に考慮する必要のあった免疫システムの影響を除外して明解な結果を得るために、先行研究(Hanifianら、BMC Res. Notes 15:56 (2022))を参考にマウス赤血球を用いたin vitro培養系での解析についても準備を進めている。 2023年度は所属研究機関内での新型コロナウイルス感染対策が緩和されつつあり、研究遂行のための時間を確保できると予想している。
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