新規モデルマウスを用いたアスペルギローマ排除機構の解明および薬物動態の解析
Project/Area Number |
22K08601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田代 将人 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (20713457)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | アスペルギローマ / 動物モデル / 病態 / 薬物動態 / 抗真菌薬 |
Outline of Research at the Start |
代表的な難治性感染症であるアスペルギルス感染症の1つであるアスペルギローマは新たな治療法の開発が望まれている。研究代表者らは革新的な新規アスペルギローマモデルマウスの確立に成功した.本研究では同モデルを用いて、アスペルギローマの排除機構を、宿主側と菌側の両者から解明を試みる。アスペルギローマの排除機構や排除の阻害要因を明らかとすることで、抗真菌薬以外の治療戦略の糸口の発見が期待される。さらに、本研究では抗真菌薬のアスペルギローマへの薬物移行性の解析も行う。アスペルギローマへの抗真菌薬移行性の基礎データを得ることができれば、現在よりも有効な抗真菌薬の投与方法の検討が可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々が開発した新規マウスモデルを用いて、菌球を含む組織の病理組織学的解析を行った。炎症細胞浸潤は、好中球とマクロファージについてそれぞれ抗Ly6G抗体・抗Iba1抗体を用いて免疫組織染色を行い、菌球面積に占める陽性細胞の割合を経時的に評価した。好中球、マクロファージが菌球中に占める割合は留置14週後にかけてそれぞれ51.7%、8.1%に増加していた。好中球は経時的に菌球の内部に浸潤していたが、マクロファージは菌球の周囲に集簇していた。これらの結果から、アスペルギローマへの慢性的な免疫応答において好中球、マクロファージが主たる役割を担っている可能性が示唆された。 また、アスペルギローマへのItraconazole (ITCZ)動態解析を実施した。菌球を留置後、ITCZ(1、5、10、20 mg/kg)を連続4日間腹腔内投与した。最終投与後7日までの血清、筋肉、および菌球を回収しITCZとOH-ITCZの濃度を経時的に測定した。血清中のITCZ、OH-ITCZ濃度は時間経過とともに速やかに低下し、20 mg/kg群でも最終投与後24時間後には検出感度未満となった。筋肉中濃度も同様の推移を示し、20 mg/kg群の最終投与24時間後におけるITCZ濃度は85.58±46.51 μg/g、OH-ITCZ濃度は検出感度未満であった。一方、菌球では20 mg/kg群の最終投与24時間後においてもITCZ濃度は1258.33±214.68 μg/g、OH-ITCZ濃度は588.21±16.77 μg/gと高値を維持していた。その他の用量群も同様の推移を示した。最終投与後24時間後において、ITCZは菌球に対し対筋肉濃度比で5.9~19.1倍の移行性を示した。これらの結果より、アスペルギローマへのITCZ移行性は周囲組織に比して良好であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アスペルギローマ周囲の炎症細胞の動態や薬物動態について、想定以上のペースで順調に研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
アスペルギローマの排除が遅延する原因をより詳細に探るため、2023年度はHarbor-UCLA Medical CenterのScott G. Filler, M.D.の研究室に出張し、同研究室が所有する様々な遺伝子を改変したAspergillus fumigatusを用いて実験を遂行する。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)