Project/Area Number |
22K08609
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54030:Infectious disease medicine-related
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Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
木村 聡一郎 湘南医療大学, 薬学部医療薬学科, 教授 (60408870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10370959)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ワクチン / 肺炎球菌 / 自然免疫記憶 / 自然免疫 / 膜小胞 |
Outline of Research at the Start |
近年、ワクチンが本来のターゲットとは異なる感染症を抑制し、様々な感染症の初期応答に機能していることが報告されている。これにはワクチンにより誘導された自然免疫の記憶が関わっていることが基礎研究と臨床疫学研究の両方向から証明されている。しかし自然免疫記憶に特化したワクチンへの応用は検討されていないのが現状である。そこで本研究では、自然免疫記憶誘導因子を、ワクチン基剤として有望な細菌の膜小胞に発現させ「ターゲットとなる感染症に加え関連感染症などにも対応し得るワクチン基盤技術」を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、ワクチンの本来のターゲットとは異なる感染症を抑制する「オフターゲット効果」が報告されており、様々な感染症の初期応答に機能している。これにはワクチンにより誘導された自然免疫の記憶が関わっており、ターゲットとは異なる病原体の感染刺激により自然免疫が誘導され、非特異的に病原体を排除していることが基礎研究と臨床疫学研究の両方向から証明されている。しかし自然免疫記憶に特化したワクチンへの応用は検討されていないのが現状である。そこで本研究では、申請者らが報告した自然免疫記憶誘導因子を、ワクチン基剤として有望な細菌の膜小胞に発現させ「ターゲットとなる感染症に加え関連感染症などにも対応し得るワクチン基盤技術」を開発する。本技術は抗原部位を変更することにより他の感染症へ応用できるために汎用性も高く、自然免疫の非特異性から未知の新興感染症への備えともなりうるため、これまでに無い新しいコンセプトのワクチン基盤技術を提案できる。 これまで検討していた膜小胞を用いた肺炎球菌ワクチンに関する研究が進展した。本研究では、安全性の高いプロバイオティック大腸菌に対して肺炎球菌莢膜を発現させ、その大腸菌より得られた膜小胞を回収してワクチンとして使用したものである。本研究により、鼻咽腔に保菌された肺炎球菌を排除できることがわかった。肺炎球菌の排除には、鼻咽腔に発現するIgAが高発現していることが証明された。 自然免疫記憶に関する検討では、既存の肺炎球菌ワクチンを接種マウスからマクロファージを回収し、セルソーターを用いて各種細胞を収集した。これらの細胞を用いて自然免疫記憶に関わる因子を調べるためにChIP解析を実施する。その前段階として、各種条件検討(フラグメンテーション、ライブラリ作成、等)を行っており、それらの諸条件を確定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、所属大学の変更により、研究環境の整備から始まることとなり多くの時間を要した。また、動物実験施設の稼働が遅れた影響もあり、計画していた動物実験の実施が遅れることとなった。研究環境の整備を終え、今年度からは研究計画に沿って研究項目を実施しており、概ね予定通りに研究が進展している。特に、膜小胞を用いた肺炎球菌ワクチンの検討では、論文としてまとめ現在投稿中である。自然免疫記憶の検討についても進展が見られ、ChIP解析に必要となる諸条件の検討を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は研究計画が大きく変更する必要となったが、研究環境を整えることができたため、現在は計画通りに研究を進めている。研究協力者である研究室の助教が体調を崩し、昨年度末をもって退職したが、今年度の6月から新たな研究協力者(講師)を採用することができた。既に研究内容・計画について話し合いを行い、着任後から本研究に参画することが決まっている。新たな研究協力者とも協力体制を強めながら、本研究を実施する予定である。
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