Project/Area Number |
22K08633
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
宮塚 健 北里大学, 医学部, 教授 (60622363)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 糖尿病 / β細胞再生医療 / Pdx1 / リプログラミング / 内分泌細胞 / α細胞 / β細胞 / 内分泌細胞分化 / アデノ随伴ウイルス |
Outline of Research at the Start |
糖尿病患者では、膵β細胞容量が低下しているため、その根治を実現するためには失われたβ細胞を補充する必要がある。これまで申請者は外分泌細胞やα細胞といった成体膵細胞に様々な遺伝子を導入し、膵β細胞新生を誘導することに成功してきた。国内外の様々な研究者もβ細胞新生の効率化を模索してきたが、新生β細胞の質およびβ細胞容量は充分とは言い難い。 本研究ではα細胞特異的に転写因子PDX1発現を誘導し、かつ遺伝子Xの活性を抑制することにより、α細胞新生効率の改善を目指す。さらにアデノ随伴ウイルス の腹腔内投与による遺伝子導入を組み合わせることにより、低侵襲かつ簡便な遺伝子治療の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病根治を実現するためには失われた膵β細胞機能を補うことが不可欠である。そうした中でβ細胞以外の細胞からβ細胞新生を誘導する再生医療が注目されている。我々は動物モデルにおいてα細胞からインスリン産生細胞へのリプログラミングを誘導することに成功してきたが、実臨床へ応用するためには、低侵襲かつ高効率なβ細胞新生誘導法の開発が必要となる。 最近我々は抗グルカゴン抗体をマウスに投与することにより、α細胞新生が誘導されることを見出した(Himuro M et al. 2024)。このことは、グルカゴンシグナル抑制が内分泌細胞の可塑性を修飾することを示唆しており、これを応用することによりβ細胞新生を効率的に誘導できる可能性がある。そこで本研究では、グルカゴンシグナル抑制がβ細胞新生効率を改善する可能性を検証することを目的とした。 Cre-loxPシステムによりα細胞特異的かつ誘導性にFLAG-tagged Pdx1を発現する遺伝子改変マウス(Gcg-CreER; CAG-CAT-Pdx1; αPdx1マウス) を作製し、タモキシフェン誘導性にα-to-β reprogrammingを誘導することに成功した。αPdx1マウスにグルカゴン受容体拮抗薬(GRA)を経口投与 した結果、、GRA投与によりβ細胞新生効率は有意に上昇した。 さらにαPdx1マウスにアロキサンを投与することによりβ細胞を破壊した後、GRAを2週間投与、4週間のwash out後、腹腔内ブドウ糖負荷試験を行った結果、高血糖が有意に改善し、ブドウ糖応答性インスリン分泌も改善していた。 以上の結果はグルカゴンシグナル抑制がPdx1によるβ細胞新生効率を向上させ、かつ新生β細胞が高血糖状態を是正することを示している。本研究結果を応用することにより低侵襲かつ高効率なβ細胞再生医療を実現することを目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
αPdx1マウスにアロキサンを投与し、β細胞を欠失した条件下でGRAを投与し、β細胞新生効率を定量化した結果、耐糖能正常マウスの実験系に加え(2022年度)、糖尿病モデルマウスにおいてもグルカゴンシグナル抑制がβ細胞新生効率を有意に改善することを明らかにした。またグルカゴンシグナル抑制がブドウ糖応答性インスリン分泌を改善することを見出した。現在、アデノ随伴ウイルスを用いてPdx1を導入し、より侵襲度の低いβ細胞新生誘導法を開発しており、ほぼ予定通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
【アデノ随伴ウイルス(AAV8)によるα-to-β reprogrammingの低侵襲化】 Pdx1を発現するAAV8を腹腔内に投与することによりα細胞特異的にPdx1を発現さ せ、α-to-β reprogrammingを誘導する。同時にグルカゴン受容体拮抗薬(GcgRA)を経口投与することにより、β細胞新生効率の改善を目指す。
【論文化】 上記研究成果を論文化する。
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