脂質合成代謝機能プロファイルの変化がもたらす腫瘍制御の解明
Project/Area Number |
22K08644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
永野 秀和 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任講師 (60788876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 知明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50447299)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | DPYSL4 / ミトコンドリア複合 / フェロトーシス / シングルセル解析 / ミトコンドリア複合体 |
Outline of Research at the Start |
肥満・糖尿病は大腸がんや肝臓がんなどの悪性疾患を合併するが、その共通分子基盤は十分に明らかにされていない。一方、メトホルミンなどのミトコンドリア機能を標的とする糖尿病薬が、がん予防効果を発揮することが分かり、がんと肥満・糖尿病に共通するメカニズムの解明が希求されている。 本研究課題では、Single cell解析とDPYSL4ノックアウトマウス由来の解析を組み合わせることで、フェロトーシスにおける新たなミトコンドリア調節分子DPYSL4の機能とミトコンドリアとの相互作用の解明を目指す。この新たな制御メカニズムは、肥満の改善とがん予防のに大きく貢献することが期待される、
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Outline of Annual Research Achievements |
R4年度の研究実績として、DPYSL4ノックアウトマウスの異なるmESストレインに由来する個体の作製とその表現系の解析を行った。これまでの検討からDPYSL4は、ミトコンドリア複合体に会合し、脂肪細胞機能調節を持つことが示されているが、生後12週齢通常食において糖代謝および体重・脂肪重量に明らかな変化を認めなかった。高脂肪食負後の脂肪組織由来のシングルセル解析にて、IRF-7/9・INFの老化シグナルの活性化およびCEBP-α・PPAR-α/γおよびその下流のlipid metabolismの遺伝子群の有意な活性化を認めた。そこで、過剰な栄養負荷シグナルがもたらすフェロトーシス関連分子基盤とその成因となる脂肪酸代謝分子群の発現制御に関わるDPYSL4との関連について調べるために、HT1080細胞株(ヒト繊維肉腫由来)を用いてプロテオミクスおよびRNA-seqの網羅的解析を行った。脂質酸化の蓄積により高率にフェロトーシスが誘導される条件を用いて、プロテオミクスにおける有意変動分子群の解析を行った結果、β酸化経路、コレステロール生合成経路、酸化ストレス応答に関連するタンパク群の発現に有意な変化を認めた。さらに上流シグナルを検討したところ、脂質代謝に関連する分子への絞り込みにより、RXRAの発現低下、PPAR-αの上昇を認めた。DPYSL4との相関性については検証できていないが、これらの結果は、高脂肪食負荷における脂質関連分子のPPARとRXRAの相互作用の関与を示すと考えられた。今後、DPYSL4の過剰発現系およびノックアウトモデルを用いて、インスリン標的臓器である脂肪組織・骨格筋・肝臓・血管内皮を比較対象に、その制御機構の存在と機能的役割を明らかにする必要があると考えられた。DPYSL4ノックアウトマウスにおける個体レベルでの脂肪組織―腫瘍連関解析を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DPYSL4ノックアウトマウスの作製において、異なるmESストレインに由来する個体を調べることで、再現性を検証することができた。また、分子メカニズム解析として、フェロトーシスが引き起こす細胞内の脂質状態の変化を捉えるために、フェロトーシス感受性細胞であるHT1080細胞株(ヒト繊維肉腫由来)を用いてプロテオミクスおよびRNAシーケンスを実施した。この結果、網羅的な解析によるデータ駆動型研究から、絞り込み作業を通じて、フェロトーシスを制御する上流のシグナル分子機構として、β酸化に関連するタンパク群の発現に顕著な変化および脂質代謝に関連する分子群としてRXRAの発現低下を同定することができた。プロテオミクスの利点として、実際にタンパク発現している分子の有意変動を検出しているので、その存在と機能的役割に意義がある可能性が高い。従って、今回同定した脂質関連分子であるPPARとRXRAの相互作用は、重要な制御機構の一つとして考えられるので、順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
DPYSL4ノックアウトマウスの実験については準備中であり、代替案である計画は、in vitroの解析であり、使用すべき細胞や試薬は揃っていたために、先行して研究を行なった。HT1080細胞株におけるフェロトーシス解析についても、プロテオミクスデータの解析までにとどまっている。RNAシーケンスはすでに試行済みで、データ解析を着手する予定である。まずそれぞれのオミクス解析の全体像を捉えた上で、マルチオミクスへと統合解析を行う。 DPYSL4ノックアウトマウスの臓器特異的KOマウスを用いた検討および、長期間の高脂肪食負荷を行う肥満糖尿病モデル実験については、マウス個体を増やしたり、臓器特異的にDPYSL4がきちんと欠失してるかに関して確認する必要があり、入念な準備が必要である。さらに、シングルセル解析は、とくに脂肪組織では脂肪細胞の大小不同や、脂質成分に富んでいる理由により、シングルセル化が困難であることや、シングルセルライブラリー作製にトラブルが生じる可能性が考えられ、実験が難航する可能性が高い。組織をホルムアルデヒド処理してから単一細胞分離を行うFRP法やFACSでソートする方法も同時に基礎検討していく方策である。また、脂肪組織―腫瘍連関のメカニズム解析においては、代替案である計画として、HT1080細胞株を用いた腫瘍細胞を対象としたin vitroの解析を先行して研究を行なった。これは、細胞準備や試薬調整が速やかに行えること、腫瘍と脂肪の共通の分子基盤の結果が期待できるためであった。今後、ヒト脂肪組織あるいはマウスの脂肪組織を解析対象に広げて、フェロトーシスのメカニズム解析についても、実施していく方策である。その中で、プロテオミクスデータの解析だけにとどまらず、RNA-seqも同時に行うことで、マルチオミクス解析として、統合データ解析へ発展させていく計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Proteogenomic landscape and clinical characterization of GH-producing pituitary adenomas/somatotroph pituitary neuroendocrine tumors2022
Author(s)
Yamato A,Nagano H,Gao Y,Matsuda T,Hashimoto N,Nakayama A,Yamagata K,Yokoyama M,Gong Y,Shi X,Zhahara N,Kono T,Taki Y,Furuki N,Nishimura M,Horiguchi K,Iwadate Y,Fukuyo M,Rahmutulla B,Kaneda A,Hasegawa Y,Kawashima Y,Ohara O,Ishikawa T,Kawakami E,Nakamura Y,Inoshita N,Yamada S,Fukuhara N,Nishioka H,Tanaka T
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 5
Issue: 1
Pages: 1304-1304
DOI
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