Project/Area Number |
22K08660
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田中 智洋 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (20402894)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 肥満症 / 視床下部 / オミクス / 炎症 / グリオーシス |
Outline of Research at the Start |
肥満症は食欲やエネルギー代謝の中枢である脳、特に視床下部の機能異常に起因する疾患と考えることができる。本研究では、肥満の発症プロセスにおける視床下部の組織構築の病的再編成(リモデリング)の実態を、1細胞レベルの構成細胞種の変遷や細胞系譜と、各細胞の形質特性(発現遺伝子プロファイル)の変化に分離して理解し、これを設計図としてニューロン・マイクログリアの共培養を行うことで肥満症の視床下部病態の試験管内での再構成を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年の1細胞解析技術の進歩により、組織を構成する細胞種のレパートリーを解明し、各細胞種の特性変化や細胞系譜を経時的に追跡することが可能となった。本研究では、近年、肥満症患者の視床下部にみられ、肥満モデル動物において肥満症の発症に病因論的に重要であることが確立しつつある、神経炎症・グリオーシスの分子病態の解明を目指して、視床下部のシングル核トランスクリプトーム解析を行ってきた。視床下部でも特に弓状核はレプチンやインスリン、GLP-1など末梢の栄養状態を中枢神経系に伝達するホルモンの受容体を発現している領域であり、エネルギー代謝中枢の1次ニューロンが局在する領域と考えられている。すでに成体マウス視床下部弓状核プールサンプルからの核の分離やライブラリ作成などにかかる条件検討は完了しており、高脂肪食により肥満を発症するプロセスの各段階におけるトランスクリプトーム解析結果が出そろいつつある。またシグニチャー遺伝子の発現パタンに基づく細胞クラスターのアノテーションも出来ており、今後デブリを多く含む細胞クラスターの除外と、肥満症発症プロセスにおける経時的変化について、弓状核のバルクでのトランスクリプトーム解析結果と照合しながら解析する予定である。また、レプチン応答性ニューロンとマイクリグリア細胞の共培養系についてもシステムの構築に成功し、種々の薬剤やホルモンの添加実験を開始しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肥満モデルマウスの視床下部弓状核の解析、レプチン抵抗性再現モデルの構築の双方について基盤技術のセットアップは完了し、既に実際の解析に入り、解析データも得られつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
シングル核RNA-Seqを用いた解析では、肥満発症のプロセスにおける視床下部弓状核細胞の細胞集団としての挙動と、各細胞クラスター内における発現遺伝子群の変化を分けて理解するためのin silicoでのデータ解析に重点をおく。とりわけ、肥満発症プロセスにおける新規細胞集団の出現や消失の有無、bulkのRNA-Seqで特徴的な変動パタンを示す遺伝子群として検出されたいくつかの遺伝子グループ(エンドペプチダーゼインヒビターなど)については、どの細胞での変化が全体に影響を与えているのか、については力点をおいて解析する。またレプチン抵抗性モデルにおいては、それぞれ単一種の細胞では出現しない現象が混合培養によりみられるかに着目して解析を進める予定である。
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