Pathophysiological role of lipid stress induced by dead cell clearance in the development of NASH
Project/Area Number |
22K08667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Tokyo Medical University (2023) Nagoya University (2022) |
Principal Investigator |
伊藤 美智子 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (00581860)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | コレステロール / リソソーム / マクロファージ / 死細胞 / 線維化 / 細胞死 / 貪食 |
Outline of Research at the Start |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝臓への脂質蓄積を背景に慢性炎症と線維化を特徴とする重症型である。近年、細胞障害性を有する脂質の蓄積増加が肝細胞死を引き起こし、慢性炎症の起点となって組織線維化をもたらすことが指摘されている。NASHの肝臓において死細胞とマクロファージが相互作用する病理学的構造に着目し、死細胞貪食に伴う脂質ストレスとマクロファージの機能変容の関連を明らかにし、NASH発症の分子機構の解明と新規治療戦略の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:non-alcoholic steatohepatitis)は肝細胞死の増加が特徴であり、死細胞を起点とする慢性炎症が病態形成に重要な役割を果たすと考えられている。研究代表者らは、死細胞をマクロファージが取り囲む病理学的構造(CLS:crown-like structure)を見出し、CLS構成マクロファージはCD11c陽性の疾患特異的マクロファージ亜集団であることを報告してきた。これまでにCD11c陽性マクロファージにはコレステロール蓄積とリソソームストレス増強が認められることを見出している。βシクロデキストリン(βCD)はコレステロールを包接して可溶化することができるが、細胞膜透過性が低く、細胞毒性が強いことが問題であった。βCDと線状高分子を組み合わせ、両端に酸分解性ストッパーを配することで超分子化したβCDポリロタキサンは、エンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれ、リソソームの酸性環境においてβCDを放出する。NASHモデルマウスに対してβCDポリロタキサンを6週間持続皮下投与したところ、肝細胞のコレステロール含量には変化がなかったが、CD11c陽性マクロファージのコレステロール含量が減少し、肝線維化が優位に改善した。CLSではリソソーム生合成を制御する転写因子TFE3(transcription factor E3)の核内移行が認められるが、βCDポリロタキサンによって核内移行が抑制され、CD11cやオステオポンチン、PDGFB(platelet derived growth factor B)などの線維化促進因子の発現が低下した。以上から、マクロファージのリソソームストレスを軽減することでNASHの病態形成が抑制されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに細胞株を用いてコレステロール負荷によるリソソーム機能障害と炎症・線維化変化を検討してきたが、生体におけるマクロファージの活性化機構を明らかにするため、正常肝、脂肪肝それぞれから肝マクロファージの単離培養系を立ち上げた。トランスクリプトーム解析から、マクロファージが置かれていた微小環境によってコレステロール結晶に対する反応性が大きく異なることが明らかになった。クラスター解析ではリソソームストレスに対する応答は両群のマクロファージで認められたが、線維化に関わる因子の発現は脂肪肝由来マクロファージにおいてのみ誘導された。以上のような応答性の相違から、疾患特異的活性化機構の理解が深まることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪肝マクロファージにおいてコレステロール過負荷が線維化促進因子を誘導する分子機構が重要であるため、トランスクリプトームデータからマクロファージの活性化を制御する上流因子を抽出する。培養細胞を用いて鍵となる因子の発現制御、下流因子の転写調節機構を明らかにする。また、遺伝子改変マウスを作成し、NASHモデルマウスに骨髄移植することでNASHの病態形成に対する影響を検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)