肥満症の治療と健康寿命の延伸を目指した褐色脂肪細胞機能活性化の試み
Project/Area Number |
22K08676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 54040:Metabolism and endocrinology-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石垣 泰 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50375002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那谷 耕司 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (90202233)
長谷川 豊 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (90451559)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 肥満 / 褐色脂肪細胞 / 熱産生 / Ucp1 / 2型糖尿病 / 創薬 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、熱産生機能を有する褐色脂肪細胞を誘導する低分子化合物を探索し、基礎代謝を亢進させる新規治療法の開発につなげることを目的としている。なぜなら、褐色脂肪細胞の数を活性化させて基礎代謝を上げることができれば、肥満症・メタボリックシンドロームやその関連疾患の発症・進展を抑制できるだけでなく、健康寿命の延長につながる可能性が考えられるからである。培養脂肪細胞を用いた検討から有望な化合物を選択し、マウスに投与することで肥満症の表現型が改善するか検証し、褐色脂肪細胞活性化薬の新規創薬につなげていきたいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
褐色脂肪細胞の数を増やす、もしくは活性化させて基礎代謝を上げることができれば、肥満症・メタボリックシンドロームやその関連疾患の発症・進展を抑制できるだけでなく、健康寿命の延長につながる可能性が考えられる。本研究の目的は、熱産生機能を有する褐色脂肪細胞を誘導する低分子化合物を探索し、基礎代謝を亢進させる新規治療法の開発につなげることである。 そのために、東京大学創薬機構の化合物ライブラリーのうち構造多様性のあるCore Libraryを利用した。Ucp1遺伝子領域にルシフェラーゼ遺伝子を組み入れた遺伝子改変マウスから樹立した培養脂肪細胞を用いて、化合物スクリーニングを進め、Ucp1遺伝子の発現を亢進させる低分子化合物5個を同定している。2次、3次スクリーニングを進め、この中の最もUcp1の発現を上昇させた単独の化合物に標的をしぼり、細胞実験を進めてきた。培養脂肪細胞を用いて、熱産生を促進する機序を明らかにするために、化合物を添加した後の熱産生やlipolysis, adipogenesis,ミトコンドリアに関わる遺伝子発現の解析を行い、Pgc1a、Cidea、Tmem26など熱産生に関わる遺伝子の発現が上昇していることを確認した。また将来の動物への投与実験を踏まえて、MTT試験、LDH試験で細胞毒性を検討し適正な濃度の検討を進めている。並行してUcp1遺伝子の発現上昇の評価を行い、合わせて動物実験に用いる濃度を決定していきたい。また、化合物の添加によるUcp1の発現上昇を蛋白レベルで確認している。 ここまでの検討で、化合物スクリーニングにより、脂肪細胞の熱産生を亢進させる化合物を同定した。同定した化合物は細胞毒性が低く、熱産生に関わるUcp1遺伝子の発現を上昇させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補となる化合物を絞り込むために実験系を修正し、検討を重ねたうえで目的となる化合物候補を選定できた。その化合物のUcp1の発現に対する影響を遺伝子と蛋白レベルで検証できた。また、動物投与実験の開始に向けて適正な用量を検討し、毒性が低いことを確認できた。以上の成果から、初年度の進捗としてはおおむね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウスに低分子化合物を投与し生体への効果を検証したいと考えている。高脂肪食で肥満を誘導する過程にあるマウスに対して化合物を投与し、体重増加抑制効果ならびに全身代謝、耐糖能・インスリン抵抗性、寒冷応答などの解析を進めていきたいと考えている。具体的には、全身代謝の評価として体重変化、耐糖能、基礎代謝に及ぼす影響を評価する。また各臓器へ及ぼす表現型として、組織重量、免疫染色などによる組織学的変化、リン酸化AKT定量によるインスリンシグナル変化、臓器別の遺伝子発現などを解析する予定である。脂肪組織における熱産生亢進が予想できるため、寒冷刺激による寒冷応答をモニターする。さらに、脂肪組織のRNA-seq解析(Gene Ontology/Pathway解析)を行い、化合物による細胞内シグナル変化、熱産生機構を解析し明らかにしていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)