Project/Area Number |
22K08694
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貞苅 良彦 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80784503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859)
田村 公二 九州大学, 大学病院, 助教 (90909582)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 膵癌 / 口腔内環境 / 歯周病原細菌 / 腫瘍微小環境 / 膵癌微小環境 / バイオマーカー |
Outline of Research at the Start |
膵癌は歯周病との関連を指摘されており、口腔内に複数種の特定の歯周病原細菌を保有している患者は膵癌発症リスクが高いことや、膵腫瘍内に特定の歯周病原細菌が検出された患者群は予後不良であることが報告されている。歯周病原細菌が膵発癌や予後に関連している報告から、今後、歯周病原細菌が膵癌治療の新たなターゲットとなる可能性がある。しかし、現時点で、歯周病原細菌が膵癌の進展に影響を与えるという報告は皆無である。本研究では、膵癌患者の口腔内環境、特に歯周病原細菌に着目した膵癌の進展に及ぼす影響を評価し、口腔機能管理の早期介入により膵癌の治療へ繋げることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膵癌患者の口腔内環境、特に歯周病原細菌に着目した膵癌の進展に及ぼす影響を評価することである。 ステップ【1】で、膵癌切除患者の治療介入前の口腔機能を評価した臨床データと化学療法、転移形成、予後の比較を行った。口腔内環境の条件と、化学療法の効果や予後に有意差は得られなかった。現在も症例の蓄積および術後経過フォローを行っており、今後も解析を継続していく。 ステップ【2】で、歯周病原細菌と膵癌細胞株を共培養し、特定の歯周病菌により膵癌細胞の遊走能と浸潤能の亢進を認めた。癌細胞表面のToll Like Receptor4を介して細菌は癌細胞と結合していることが報告されており、癌細胞のToll Like Receptor4をノックダウンした膵癌細胞を作成し、遊走能と浸潤能の解析を進める。 ステップ【3】で、膵癌細胞株を皮下移植したマウスの腫瘍内に特定の歯周病菌を投与すると、他の歯周病菌と比較して、腫瘍の増大を認め、フローサイトメトリーでCD8+T細胞の減少を認めた。しかしながら、膵癌細胞株を膵同所移植したマウスの口腔内に歯周病菌を投与し、腫瘍の増大や腫瘍微小環境をフローサイトメトリーで評価したが、腫瘍の増大や腫瘍微小環境の有意な変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ステップ【1】で、約80例の膵癌切除患者の口腔内環境と膵癌の進展や予後について評価したが、現時点で口腔内環境の違いによる膵癌患者の進展に影響を与える因子の同定には至っていない。しなしながら、症例は順調に蓄積しており、今後も継続して解析が可能であるため。 ステップ【2】で特定の歯周病菌により、膵癌細胞の遊走能の亢進を認め、歯周病菌の刺激により癌細胞における免疫抑制性に働く免疫細胞を誘導するケモカイン産生が促進されていることを同定したため。 ステップ【3】で、膵癌細胞株を皮下移植したマウスの腫瘍内に歯周病菌を投与すると、腫瘍の増大を認めた。膵癌細胞株を膵同所移植したマウスの口腔内に歯周病菌を投与し、腫瘍の増大や腫瘍微小環境をフローサイトメトリーで評価したが、腫瘍の増大や腫瘍微小環境の有意な変化は認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は治療介入前の口腔機能管理の際に、唾液の採取および口腔内細菌の菌叢と腫瘍内細菌の菌叢の相関を評価し、膵癌の進展に与える口腔内細菌を推定する。In vitroで特定の歯周病菌により、癌細胞において産生が促進されたケモカインに対する阻害薬を併用して評価し、癌細胞の遊走能に与える影響を評価する。In vivoで歯周炎マウスモデルに膵癌細胞を膵同所移植したマウスでは、腸管バリアが保たれているため、細菌叢が腫瘍内へ到達していない可能性がある。腸管バリアを破綻させたマウスや無菌マウスを用いて、口腔内細菌が腫瘍内へ到達する条件検討を進めていく。
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