非感染性炎症における新たな自然免疫細胞制御機構の探求
Project/Area Number |
22K08749
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55010:General surgery and pediatric surgery-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 公治郎 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (10848203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影山 詔一 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (60707545)
内田 洋一朗 京都大学, 医学研究科, 講師 (30597745)
瀬尾 智 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70646546)
波多野 悦朗 京都大学, 医学研究科, 教授 (80359801)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 肝臓 / 虚血再灌流障害 / 自然免役細胞 / レシピエント |
Outline of Research at the Start |
肝虚血再灌流障害(IRI)の予防戦略においてグラフト細胞の保護だけでなく,自然免疫細胞の制御を行うことは重要である。本研究代表者らはこれまでに,グラフト(ドナー由来)のCEACAM1(CM1)がグラフト細胞死を軽減することを明らかにしたが,レシピエントの自然免疫細胞の制御におけるCM1の役割に関しては、まだ十分に解明がなされていない。 本研究では,自然免疫細胞におけるCM1の役割に着目することにより、新たな自然免疫細胞制御機構を探求するとともに、非感染性炎症である肝IRIを予測するバイオマーカーの探索を行うことを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
虚血再灌流障害 (IRI)は移植に伴うグラフト保存とその後の血流再開によってもたらされるグラフト障害であり,early allograft dysfunctionや拒絶にも影響するため,IRIの予防は移植医療における重要な課題である。肝IRIの発症において,虚血時に障害を受けたグラフト組織から染み出して再灌流と共に血中に放出されるDAPMS(damage associated molecular patterns)は自然免疫細胞を活性化し,それによりもたらされる炎症性細胞障害が肝障害を助長させる。その結果,より一層のDAMPSが放出され,自然免役細胞が更に活性化される。したがって肝IRIの予防戦略においてグラフト細胞の保護だけでなく,自然免疫細胞の制御を行うことは非常に重要である。肝移植においてグラフト(ドナー由来)のCEACAM1(CM1)がグラフト細胞死を軽減することがこれまでに報告されているが、レシピエントの自然免疫細胞の制御におけるCM1の役割に関しては、まだ十分に解明がなされていない。CM1ノックアウト(CM1-KO)マウスを同所性肝移植(orthotopic liver transplantation, OLT)モデルに用いることで、レシピエントの自然免疫細胞のCM1発現が移植肝に与える影響を検討した。 WTマウスから採取した肝臓を冷保存(18h)後にWTマウスまたはCM1-KOマウスに移植した。WT>WTに比べてWT>CM1-KOのOLTでは、再灌流6時間後の血清AST/ALTが有意に高く、組織学的IRIスコア(Suzuki's score)が有意に高く、TUNEL陽性の死細胞数が有意に多く、肝組織中のLy6G陽性細胞(好中球)数が有意に多いことが分かった。また移植肝にinfiltrateする免役細胞のうち、好中球がとりわけCM1を強発現していることも分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスOLTモデルを用いた研究結果から、移植後の肝グラフトにinfiltrateするレシピエントの自然免役細胞のうち、好中球がとりわけCM1を強発現していることが分かった。好中球の制御におけるCM1の役割に着目して今後の研究を進める手掛かりが得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の成果をもとに、CM1が好中球を制御する機序について更なる解析を行う。骨髄由来の好中球をLPSまたは、冷保存ストレス後に肝から放出されるDAMPS(liver flush)にて刺激する実験を行い、Western blots、RT-PCRにて評価を行う。また、ヒトの肝移植症例から得られたサンプルの解析も行う。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)