膵癌間葉系細胞を標的としたアスコルビン酸による抗腫瘍効果のメタボローム解析
Project/Area Number |
22K08769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
上本 伸二 滋賀医科大学, 医学部, 学長 (40252449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向所 賢一 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50343223)
三宅 亨 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70581924)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | アスコルビン酸 / 膵癌 |
Outline of Research at the Start |
アスコルビン酸はin vitroでは殺細胞効果を示すが、生体内における抗腫瘍効果については明らかではない。膵癌は間葉系細胞による間質反応が強く、癌周囲間葉系細胞由来のアラニンが腫瘍の進展に寄与することが報告されている。我々は生体内においてアスコルビン酸がアルカリ化の併用により膵癌周囲の間葉系細胞を抑制し、癌微小環境における代謝を介して抗腫瘍効果を発揮するのではないかと考えた。本研究は間葉系細胞を標的としたメタボローム解析を行うことにより、生体内における間葉系細胞を介したアスコルビン酸による抗腫瘍効果の機序を解明し、膵癌の新たな治療法の選択肢の提供に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は間質成分を多く含む腫瘍で、様々な治療に抵抗性を示すことから、新たな治療法が期待される。我々は膵癌細胞に対するアルカリ化とアスコルビン酸による抗腫瘍効果について検討するため、培養細胞での検討を行った。膵癌細胞株を用いてアスコルビン酸による癌細胞の増殖をCCK-8で検討した。その結果、アスコルビン酸は濃度依存性に癌細胞の増殖を抑制することを確認した。また、生体内では膵癌細胞株は低酸素状態であると予想されるため、hypoxic camperを用いた低酸素下での培養環境を確立し、低酸素下でのアスコルビン酸による抗腫瘍効果について膵癌細胞株を用いて検討をおこなった。低酸素環境ではin vitroではアスコルビン酸による膵癌細胞株に対する癌細胞増殖抑制効果は減弱することをCCK-8を用いて確認した。 in vitroでのアスコルビン酸の結果を生体内で検討するため、ヒト膵癌細胞株皮下移植マウスモデルを用いて生体内でのアスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果について検討を行った。重曹によるアルカリ化とアスコルビン酸の腹腔内投与を行うことにより抗腫瘍効果を認めた。これにより、アスコルビン酸だけでなく、アルカリ化を併用することで抗腫瘍効果が相加的に増加することが示された。また、マウスに移植した腫瘍ではアスコルビン酸とアルカリ化投与することで線維化の減少を認めた。今後、それらの腫瘍検体を用いてアスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果の機序について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養実験の系を確立し、様々な条件下でのアスコルビン酸の抗腫瘍効果について検討を行うことができた。また、より生体内に近い環境としてhypoxic campberを用いた解析が可能となった。 マウスモデルではアルカリ化とアスコルビン酸による抗腫瘍効果について再現を持って確認することができた。また、線維化の減少など特徴的な表現形をみとめたことから、今後のさらなる解析につなげることが可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでは癌細胞だけでなく、癌関連線維芽細胞や免疫細胞などを用いたアスコルビン酸の増殖抑制効果を検討する予定である。遺伝子発現だけでなく、代謝経路を含めた解析を行う。また、培養細胞でのPHを調整することで、その増殖抑制効果に対する影響について検討する。 マウスモデルが確立したことから、免疫不全マウスだけでなく、Immuno competentなマウスも用いてアスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果の検討を行う予定である。 また、そのマウスモデルにおけるPHの変化を含め、アスコルビン酸とアルカリ化による抗腫瘍効果の機序の解明を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)