Project/Area Number |
22K08774
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 省吾 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30452436)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀典 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90601120)
野田 剛広 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (50528594)
富丸 慶人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70528570)
山田 大作 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60571396)
岩上 佳史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60597441)
佐々木 一樹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20745442)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 癌 / 浸潤 / 癌微小環境構成細胞 / 癌周囲環境細胞 |
Outline of Research at the Start |
すべての癌細胞が同じ役割を持つのではなく、周囲へ浸潤しつつある癌細胞が、癌本体と別の役割を持ち、癌周囲環境細胞(線維芽細胞、免疫細胞、神経細胞、血管内皮)と細胞間伝達物質を通じて相互に(癌周囲細胞:相互干渉)干渉しながら周囲環境改築を行い、浸潤・転移を形成すると推察された。本研究では、浸潤・転移・治療抵抗誘導癌細胞株、動物モデルを用いて、癌周囲環境細胞とのかかわりの理解を深め、共培養系を用いてサイトカインやエクソソームを介した細胞コントロールのメカニズムを明らかにし、ヒト切除検体を用いて検証する。その結果から、術前治療に特化した、microRNAや抗体療法を用いた癌先進部治療開発を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
肝胆膵領域悪性腫瘍の根治治療としての外科切除においては、肝・腸管などの生命維持に必要な臓器への血流の保持、すなわち主要血管の温存が必要であり、完全切除を基本とする根治治療と相反する。そのため、手術以外で癌の先進浸潤部を制御する必要がある。研究者らのこれまでの研究成果から、すべての癌細胞が同じ役割を持つのではなく、周囲へ浸潤しつつある癌細胞が、癌本体と別の役割を持ち、癌周囲環境細胞と細胞間伝達物質を通じて相互に干渉しながら周囲環境改築を行い、浸潤・転移を形成すると推察された。本研究では、癌と周囲環境細胞とのかかわりの理解を深め、術前治療に特化した癌先進部治療開発を目指す。 本研究では、in vitroで浸潤癌細胞、転移癌細胞の特徴を探り、癌微小環境との相互作用について検討する。続いて、切除検体で各分子の発現を検討し、最終的には、動物モデルを用いて、浸潤癌細胞や転移癌細胞と癌微小環境との連絡分子を阻害・調整することによる腫瘍制御が可能かどうかを検討する。 これまでの検討では、まず、浸潤癌細胞、転移癌細胞の樹立に成功した。まだ単種の癌細胞からの誘導であり、複数種に増やす予定である。得られた浸潤癌細胞の遺伝子発現解析を行い、癌微小環境を構成する細胞との相互作用について探る候補となる因子を選出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教室において、局所浸潤株や局所転移株の作成に成功した。まだ単数の癌細胞(胆道癌細胞からのみ)からの誘導に過ぎず、複数種(その他の胆道癌、肝細胞癌、膵癌)に増やす予定である。誘導に成功した浸潤がん細胞は、癌微小環境を構成する細胞(線維芽細胞、血管内皮、Naive リンパ球、マクロファージ)と共培養し、それぞれの誘導の違い、癌細胞への影響(増殖、浸潤、治療抵抗性)について検討した。癌微小環境を構成する細胞(線維芽細胞、血管内皮、Naive リンパ球、マクロファージ)と共培養することで、それぞれの細胞の増殖能を増強し、分化していくことが分かった。さらに誘導した浸潤癌細胞の遺伝子発現解析を行い、いくつかの分泌性蛋白が上昇していることがわかった。 また、教室では化学療法抵抗株の誘導に成功しているが、2022年度には放射線抵抗株の樹立に成功した。局所浸潤株や局所転移株では検討しきれない治療抵抗性について、検討を補完していく。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、その他の癌細胞(その他の胆道癌、肝細胞癌、膵癌)を用いて、局所浸潤株や局所転移株を作成していく予定である。さらに2024年度は、癌微小環境を構成する細胞(線維芽細胞、血管内皮、Naive リンパ球、マクロファージ)と共培養する実験を継続し、それぞれの誘導の違い、癌細胞への影響(増殖、浸潤、治療抵抗性)について検討していくうえで、網羅的遺伝子発現解析の結果から得られた分子について、siRNAで制御可能なものであれば制御実験を、分泌蛋白であれば添加実験を行い、その作用について検討する。
|