食道扁平上皮癌に対する蛋白ファルネシル化に着目した新規治療開発に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
22K08778
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田中 智和 佐賀大学, 医学部, 助教 (60781903)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芥川 剛至 佐賀大学, 医学部, 助教 (40839057)
伊藤 孝太朗 佐賀大学, 医学部, 助教 (80920967)
能城 浩和 佐賀大学, 医学部, 教授 (90301340)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 食道扁平上皮癌 / ファルネシル化 / ファルネシル転換酵素阻害薬 / 食道癌 / ファルネシル転換酵素 |
Outline of Research at the Start |
食道癌の5年生存率は全体で37%と低く、ゲノム情報を利用した治療や分子標的治療薬の上乗せ効果も明確ではなく、未だ新規機序による治療戦略が望まれている。食道扁平上皮癌への新規治療戦略確立を最終的な目標とし、食道扁平上皮癌の発生や進展におけるファルネシル化の意義、またファルネシル化阻害による抗腫瘍効果を検証し、さらにその機序解明に挑む。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「食道扁平上皮癌の発生、進展におけるファルネシル化の意義を分子レベルで解明すること」、「ファルネシル転換酵素阻害薬(FTI)による食道扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果の検証とその作用機序を解明すること」、さらに「ファルネシル化の食道扁平上皮癌の再発および予後の予測因子としての可能性を検証すること」である。 ①初年度は、「食道扁平上皮癌におけるファルネシル化と癌・炎症関連因子の評価およびin vitroにおけるFTIの抗腫瘍効果の評価と作用機序の検証」を主体とした。5種の食道扁平上皮癌細胞株(各種の分化度を用意、TE-1、TE-5、TE-6、KYSE30、KYSE150)を用いて、FTI投与による抗腫瘍効果を評価した。いずれの細胞株においても、FTI投与によって細胞増殖能(proliferation assay、MTS)、浸潤能(invasion assay)、遊走能(migration assay)が明らかに抑制された。癌特有のエネルギー代謝(Warburg effect)に関しても、FTI投与によってその変容が確認された(Lactateの減少、LDHA、PDK-1などの発現低下、活性酸素産生の増加など)。また、FTI投与によってアポトーシスが誘導されることが確認された。さらに、癌の悪性度や抗癌剤耐性、Warburg effectへの関与が知られている低酸素誘導因子(HIF-1α)に着目したところ、いずれの細胞株においてもその発現が確認され、さらにFTIによる発現抑制効果が確認された。現在、各細胞株における、FTase、ファルネシル化の程度、また、ファルネシル化に関連する炎症因子 (TNF-αおよびIL-6)、癌関連遺伝子群 (mTOR経路およびEMT関連遺伝子) の発現の程度を評価し、さらにFTI投与によるこれらの因子の変化について評価中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定した研究計画は順調に進んでおり、また、概ね仮説通りの結果が得られている。また、定期的なミーティングなど、研究計画の実施状況の把握、修正も問題なく実施できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
定期的なミーティングを継続しつつ、当面は当初の研究計画通りに実験を進めていく。初年度で、食道扁平上皮癌細胞株レベルでFTIの抗腫瘍効果が確認できたため、今後は、抗腫瘍効果のターゲットとなっている遺伝子やシグナル伝達、pathwayの変化を評価し、抗腫瘍効果を発揮する作用機序について解明を進める。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)