PTEN遺伝子変異による上皮間葉移行に着目した大腸癌の簇出・低分化胞巣の機序解明
Project/Area Number |
22K08812
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田島 陽介 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30757505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 康一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10348659)
松岡 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40367719)
秋元 信吾 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40937124)
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
中野 雅人 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70744788)
中野 麻恵 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (20790281)
松本 瑛生 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (30769401)
山井 大介 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (40965737)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | PTEN / PDC / Budding / 大腸癌 / 上皮間葉移行 / 簇出 / 低分化胞巣 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題の核心をなす学術的「問い」は、「大腸癌におけるPTEN遺伝子変異は分子学的にはEMTを惹起するが、形態学的にはBudding/PDCを惹起し、臨床的には遠隔転移に寄与することで予後不良因子となるのではないか」という点である。それを踏まえた本研究課題の目的は、「PTEN遺伝子変異が大腸癌の発育・進展にもたらす臨床的・病理学的・分子学的影響についての研究基盤を確立すること」である。
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Outline of Annual Research Achievements |
PTEN遺伝子は、各種固形癌において重要な癌抑制遺伝子である。PTEN蛋白質は上皮間葉転換(Epithelial-mesenchymal transition: EMT)を抑制的に制御している。EMTは各種固形癌がリンパ節や遠隔臓器に転移するための重要な分子機構であるため、PTEN遺伝子変異が癌細胞のEMTを惹起することにより癌の進展に寄与すると考えられる。一方、大腸癌におけるEMTと関連する病理組織学所見として、大腸癌発育先進部の簇出(Budding)および低分化胞巣(Poorly differentiated cluster: PDC)が挙げられる。BuddingやPDCは大腸癌におけるリンパ節転移や遠隔再発のリスク因子であるが、PTEN遺伝子変異との関連は未だ明らかにされていない。今回我々は、「大腸癌発育先進部のBuddingおよびPDCが、PTEN遺伝子異常により促進されたEMTの表現型である」との仮説を立て、本研究を立案した。本研究の目的は、「PTEN遺伝子異常が大腸癌の発育・進展にもたらす臨床的・病理学的・分子学的影響についての研究基盤を確立すること」である。前年度にStage I-III大腸癌対象症例の(1) 対象症例のPTEN遺伝子異常の有無、(2)BuddingやPDCを含めた臨床病理学的因子のデータ集積・統計学的解析を行った。その結果、PTEN異常型大腸癌がPTEN野生型大腸癌に比べて予後不良であること、および術後補助化学療法に抵抗性であることが示唆された。また、PTEN異常型大腸癌はTumor mutation burdenが高い傾向にある一方PD-L1高発現の頻度が低く、免疫チェックポイント阻害薬に耐性を有する可能性が示唆された。今年度はこれらの解析結果について考察を加え、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、がん遺伝子パネル検査を実施した大腸癌のうちStageI-III症例について、PD-L1免疫染色によるPD-L1発現のGradingやKi-67免疫組織化学染色による増殖能を評価することができた。MSI、TMBについても解析を行い、PTEN遺伝子異常との関連を解析することができた。またその結果について学会発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
PTEN遺伝子異常と化学療法効果との関連、他の遺伝子異常との関連、Stage IVにおけるPTEN遺伝子異常の意義、PTEN遺伝子異常の種類別の検討を行い、学会発表や論文発表の準備を進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)