ctDNAを用いた大腸癌化学療法効果判定法と転移巣切除適応症例層別化の確立
Project/Area Number |
22K08855
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
八重樫 瑞典 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80767484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西塚 哲 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 特任教授 (50453311)
岩谷 岳 岩手医科大学, 医学部, 特任教授 (70405801)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | circulating tumor DNA / digital PCR / 大腸癌 / 微小転移 / 腹膜播種 / RECIST / ctDNA |
Outline of Research at the Start |
原発巣変異スクリーニングにより検出された症例特異的変異に対してdigital PCRによるctDNAモニタリングシステムは、早期再発診断、治療に伴うctDNA dynamics、無再発状態の確認が可能であった。 将来ctDNAを用いて日常診療に応用するために、RECISTのCR/PR/SD/PDとは異なる定量的基準を設けることは課題の一つである。 また本研究では、転移巣切除後の再々発リスク因子や予後予測因子としてのctDNAによる層別化に基づいた臨床応用が可能かを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
癌の存在診断や再発・予後予測にCirculating tumor DNA (ctDNA)が注目されている。我々の大腸癌先行研究では、原発巣変異スクリーニングにより検出された症例特異的変異に対してdigital PCR (dPCR)によるctDNAモニタリングを用い、早期再発診断、治療に伴うctDNA dynamics、無再発状態の確認が可能であった。 ctDNAは術後の遺残・再発診断だけでなく、進行癌における治療効果の評価や予測のツールとしても期待されている。画像診断による効果判定は RECIST (Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)に準じ評価されることが多いが、複数または微小転移・再発、播種など評価困難となる病態も多いため、本研究ではctDNAモニタリングを用いて、再発及び切除不能大腸癌患者における化学療法期間中のctDNAの変動とRECISTの評価と比較検証を行う。また、化学療法の治療経過や薬剤変更に伴う時間的なheterogeneityやctDNAが微量のため検出しにくいとされている肺転移や腹膜播種に対して高感度検出法であるdPCRによるctDNAモニタリングが可能であるか検証を行った。 遠隔転移を伴う大腸癌SatgeIVの症例でも、遠隔転移巣切除で予後改善が得られる。しかしながら遠隔転移巣切除後の再発率も40-70%と非常に高率である。再々発例でも切除により完治する症例も存在することから切除効果の予測因子の同定は重要である。本研究では、遠隔転移症例のうち ctDNA陰性症例は切除後長期予後が得 られるという仮説のもと、根治切除後の再発症例や切除不能症例の治療経過中に遠隔転移巣 切除可能になった症例におい て、転移巣切除後の再々発リスク因子や予後予測因子をctDNAによる層別化を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究で登録された母集団のうち、再発・遠隔転移(mCRC)を有し化学療法を施行した症例46例が本研究に登録された.そのうち、評価可能なCT画像や採血データが得られた21例のctDNAモニタリングを行い、ctDNAによる変動とCT画像によるRECIST評価との比較検証を行った。次世代シークエンサーで遺伝子変異のスクリーニングを行った結果、ctDNA モニタリングが可能な変異遺伝子を有していた症例は19例であり,実際に血漿からctDNAを検出できたのは18例であった.転移臓器としては肝転移のみ4例,肺転移のみ4例,リンパ節転移のみ1例,腹膜播種のみ2例,多臓器転移8例。ほぼ全員(18/19,94.7%)が原発巣切除を施行されており,全員が遠隔転移を認めた後,化学療法を受けた.遠隔転移に対する化学療法開始前のvafの中央値は1.24(0-57.05)%であった.また,肝転移を含む症例と含まない症例の治療開始前のVAF(variant allele frequency)の中央値を比較すると肝転移を有する症例でVAFが有意に高かった(11.55(0.35-57.05)% vs 0.25(0-5.29)%,p=0.00014).治療経過中のvafの中央値は0.071728(0-80.9)%であった.臓器に関わらず、ctDNAの検出及びモニタリングは可能であった。RECISTとctDNAの変動による効果判定の比較では、VAFの変動割合の最適カットオフ値をROC曲線を用いて求めたところ、PDに対するVAF変動割合の最適カットオフ値は1.339で,感度0.83,特異度0.84,陽性反応的中率0.73,陰性反応的中率0.90だった. VAFが2連続上昇を認める場合はその後CTでの効果判定が概ねPD判定(感度0.31,特異度0.96,陽性反応的中率0.83,陰性反応的中率0.68)となった。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸癌化学療法に伴うctDNAモニタリングに関しては、今後VAFの変動率や陰性転化に伴うPFSとの関連性を検証していく。 また2nd line、3rd lineとレジメンが変更されていく中でctDNAモニタリングによって病勢を評価できるかを検証していく。転移巣切除を行った遠隔転移症例は現在39例。7例がdPCRによるctDNAモニタリングをすでに終えている。現在肝転移の17例が次世代シークエンサーの結果待ちである。肺転移などの他臓器症例に関してはDNA抽出などを進めている状況である。 転移巣切除を行った遠隔転移症例は転移巣切除前/後のctDNAの変動と術後生存期間・無再発生存期間を比較する。転移再発前にctDNAモニタリングを行っている 症例では、再発診断前のctDNA変動(手術時陰性:継続的な陰性/治療経過中の陰転化、手術時陽性)と生存期間・無再発生存期間について検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)