Project/Area Number |
22K08860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
海堀 昌樹 関西医科大学, 医学部, 教授 (30333199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 裕 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50263174)
岡本 芳晴 鳥取大学, 農学部, 教授 (50194410)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | フタロシアニン / 光線力学療法 / 光免疫療法 / ドラッグデリバリーシステム / 光免疫治療 / 抗癌剤内包 型Ph810-Lipo / ヒト胆嚢癌 |
Outline of Research at the Start |
難治性胆嚢癌は、根治的切除の適応例が少なく抗癌剤による奏効率も芳しくなく、効果的な治療法の確立が喫緊の課題です。光免疫治療は手術療法・化学療法・放射線療法・免疫療法に続く第 5 のがん治療法として難治性がん治療に極めて重要である低容量の抗癌剤を光感受性リポソームに包埋することで光免疫治療効果を向上させることができるとの仮説の下、「抗癌剤内包型フタロシアニン修飾リポソーム」の開発に着手した。難治性胆嚢癌に対する光免疫治療の作用機序及びリポソームに包埋した抗がん剤との相乗作用を個体レベルで解明し、同伴動物(犬・猫)を対象にした発生頻度の高い「自然発生の胆道癌」に関する獣医師主導型臨床研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、悪性腫瘍に対して従来の手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法に続く第5の治療法と言われる光免疫療法の研究が盛んに行われている。光免疫療法とは、光線力学療法(PDT)に加え、PDTによる一重項酸素生成で障害された癌細胞から放出される癌抗原を細胞殺傷性T細胞(CTL)に認識させることで、局所のみならず全身性に抗腫瘍免疫応答を惹起する治療法である。現在本邦における光免疫療法はGPCR抗体に光増感色素(IR700)を修飾したアルキャルックスが主流であるが、従来の化学放射線療法などの標準治療が可能な場合には用いることができず、術後補助療法としての有効性、安全性は確認されていないなどの限界がある。本研究では光感受性物質であるフタロシアニン誘導体を用い、独自に開発したフタロシアニン修飾リポソーム(Ph-Lipo)に低容量の抗がん剤を内包させることで光免疫療法と抗癌剤の相乗効果により治療効果が向上するとの仮定のもと、抗がん剤内包型Ph-Lipo(Ph-Lipo-REFLECT)の抗腫瘍効果を検討する。Ph-Lipo-REFLECTは①フタロシアニンの光免疫誘導、②ナノキャリアであるリポソームの腫瘍血管透過性・滞留性向上(EPR効果)による腫瘍特異的集積(ドラッグデリバリー)、③内包させた抗がん剤の抗腫瘍効果を同時に満たし、新たな光免疫療法の構築の一助となるものと考える。抗がん剤としては多くの癌種に広く用いられるパクリタキセルを選択し、パクリタキセルを内包させたPh-Lipo-REFLECTを構築、粒子系や形状安定性などの物質的特性およびマウスにおいての安全性、薬物動態の評価を行う。またPh-Lipo-REFLECTがヒト癌において有効であるかを免疫不全マウスを用いた異種移植モデルで解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①Ph-Lipo-REFLECTの構築 フタロシアニンに脂質修飾を施したPh誘導体によって修飾したリポソーム製剤であるPh-Lipoと抗がん剤としてREFLECTを内包した抗がん剤内包型Ph-LipoであるPh-Lipo-REFLECTの構築方法を確立した。次に,粒子径分布測定装置によりPh-LipoとPh-Lipo-REFLECTの粒子径・形状安定性に関する物質特性を評価したところ、EPR効果に有効な粒子径(約100nm)であると共に、超遠心に耐性な安定形状を有することが判明した。現在表面電荷に関する物性を評価中。 ②Ph-Lipo-REFLECTの薬物動態の解析 安全性評価と並行し、先行実験として同様の光感受性物質であるインドシアニングリーン(ICG)を用いたICG-Lipoによる研究を行った。Balb/cヌードマウスにヒト乳がん細胞(KPL-1)を皮下移植し異種移植モデルを作成、腹腔内投与し、腫瘍に光照射し薬物動態を解析した。投与後48時間程で腫瘍特異的にICG-Lipoが集積し、集積部に810nmの近赤外線を照射直後に集積が低下することを確認した。しかし照射後48時間程度で再集積を認め、これは光照射で腫瘍部の炎症反応が亢進し、血管透過性が亢進した事で全身循環していたICG-Lipoがより強力なEPR効果により再集積したものと考える。再度光照射後の再集積は認められず、光照射はICG-Lipo投与後48時間、96時間の2回と設定した。 ③Ph-Lipo-REFLECTの抗腫瘍効果の解析 ②の結果のもと、ヒト乳がんモデルマウスに対しICG-Lipoおよびパクリタキセル内包型ICG-Lipoを投与し、2回光照射後の抗腫瘍効果を検討した。結果、パクリタキセル内包型ICG-Lipo投与群で腫瘍の成長が著しく抑制され、腫瘍組織の病理解析で未治療群と比較し壊死面積の有意な増加が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
上記背景をもとに、抗腫瘍免疫応答を解析するため通常免疫マウスでの研究を行う。Balb/cマウスにマウス乳がん細胞を移植した同種移植モデルで、原発巣と遠隔転移巣を想定した複数箇所移植モデルを作製し、原発巣への光照射が照射部位への局所的な抗腫瘍効果のみならず、遠隔転移巣に対する全身性の癌免疫を誘導するかを確認する。また免疫誘導の更なる解析として治療群における炎症性サイトカイン分泌の変動や腫瘍組織の免疫組織染色による免疫細胞浸潤の評価を行う。
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